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「おや? 三笘の様子がいつもと違う…」ブライトン三笘薫26歳“体調不良”…現地記者にさらけ出した本音「疲れが取れているか分からない状態」
posted2023/10/21 17:30
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFLO
三笘薫の話を聞きながら、「おや?」と思った。
10月8日に行われたブライトン対リバプール戦後の取材エリア。2−2の同点で終わったこの試合で先発フル出場を果たした三笘は、いつものように落ち着いた様子で記者の質問に答え始めた。記者が尋ねる。
「今シーズンは、プレミアリーグと欧州リーグを同時進行で戦っている。過密日程による疲れの影響は、試合をこなしていくうちに感じ始めているか? 三笘選手もある程度、開幕前に想定していたと思うが、実際にやってみると、考えていた以上に疲労の影響は大きいか」
こう質問が飛ぶと、三笘は次のように答えた。
「そうですね。なかなか100パーセントの状態に持っていくというのは、難しいなって思ってます」
その後の質疑応答でも、筆者は「意外だな」と感じることが多かった。筆者の目に、三笘という選手は「完璧主義者」のように映る。万全の準備をし、100%のコンディションで試合に臨む──。プロ選手なら誰もが考えていることだが、三笘は人一倍、その意識が高いように見える。だから記者との質疑応答で、コンディション調整の難しさ、ましてや自分が抱えている問題を報道陣にさらけ出すようなことはあまりなかった。
記者の質問は続く。
「後半に入って、ドリブルで仕掛ける場面もあった。だが、相手選手に無理やり、引きずり倒される場面もあった。あういうところでも、三笘選手としては、もう一歩踏み込めたのでは?」
三笘は答える。
「そうですね。今の状態だと、あそこまでしか行けないという感じなので。もう1個(ドリブルでさらに前へ)行かないといけないと思ってますけど、はい」
本音は「ラスト10分で体が動き始めた」
リバプール戦を振り返ってみても、三笘が対峙した右SBトレント・アレクサンダー=アーノルドをぶち抜くシーンはなかった。そして後半35分、つまり残り時間10分のタイミングで右SBジョー・ゴメスに代わると、三笘のドリブル突破が目立つようになった。
記者はさらに聞く。
「右SBがゴメスに代わり、ここから試合が少しオープンになった。このタイミングから、三笘選手がドリブルで仕掛けていったように見えた」
三笘は言う。