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「タケはスペイン語どころかバスクの言葉も」スペイン人記者が久保建英22歳に本音で驚く“サッカーIQ”と…「品性、カリスマ性がある」 

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ホセ・ルイス・ゲレーロ

ホセ・ルイス・ゲレーロJose Luis Guerrero

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posted2023/10/16 11:01

「タケはスペイン語どころかバスクの言葉も」スペイン人記者が久保建英22歳に本音で驚く“サッカーIQ”と…「品性、カリスマ性がある」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

スペインのラ・リーガで9月の月間MVPに輝いた久保建英。その評価は、日本人が想像している以上に現地で高まっているようだ

「必ずしもそれを覚えなければいけないわけではないけど、少しは話せるようにしています」

一番売れているユニは「タケの14番」

 外国を訪れたことがある人ならわかるはずだが、このような姿勢は間違いなく、地元の人に受け入れられるものだ。また久保は練習後にファンと気軽にふれあい、サインや写真撮影にも応じ、フラッシュインタビューに指名されることも多い。それもあって現地サンセバスティアン、いやスペイン全土に、この日本人選手を好むファンがたくさんいる。

「まだ確かな数字は出ていませんが、今シーズン、うちで一番売れているシャツは彼の14番ですね」とソシエダの関係者が教えてくれた。

 また9月30日のバスク・ダービーでゴールを決めた後に、お尻を振るダンスを見せたように、お茶目なところもある。そのうえ自然体でフレンドリーな久保に、人々が次々に惹かれていったとしても、何も不思議ではない。

「笑いを取ろうとしているようではないのに、さらりと面白いことを言って、周囲の人々をなごませる」と久保を評すのは、テレビ番組『エル・チリンギート・デ・フゴネス』のホセ・アントニオ・チョザス記者だ。

「物腰に品があり、カリスマ性も備えている。私たちが抱く日本人のイメージとは違うね」

クリロナ、メッシが去ったリーガに現れた“2人のスター”

 ピッチ上の久保にも同じことが言える。1999-2000シーズンにバジャドリーに加入した城彰二を皮切りに、これまでに久保を含めて12人の日本人選手がラ・リーガに挑戦してきたが、彼はその先達の誰とも異なる。昨季、2017-18シーズンに乾貴士が記録した1シーズンにおける日本人最多得点記録を更新したパフォーマンスはもちろん、スペインの言葉や文化に親しむ姿勢や様子は、過去の日本人選手になかったものだ。

 少年時代にバルセロナのカンテラで3年以上過ごしたことで培われたところもあるはずだが、その素になっているのは高い知性にあると思える。それはベリンガムにも通じる特別なクオリティーだ。

 クリスティアーノ・ロナウドもリオネル・メッシもいなくなったラ・リーガに、好感の持てる2人の若きスターが出現した。約20年にわたって職業的にフットボールを観てきた者として、これほど嬉しいこともない。

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