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《負の歴史を払拭せよ》カープ6年前のリベンジなるか? CS下剋上を果たすべく、新井監督が思い描く短期決戦の戦い方
posted2023/10/13 11:01
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
JIJI PRESS
10月14日からセ・パのクライマックスシリーズ(以下CS)が始まる。両リーグともに2位以下に10ゲーム差以上をつけた優勝に、一時はCS見直し議論も起きた。だが、セ・リーグ2位の広島にとっては、6年前のリベンジとも言える。2017年は2位阪神に10ゲーム差をつけて連覇するも、CSでは14.5ゲーム差をつけたDeNAにシリーズの出場権を奪われている。
今季の上位3球団は17年と同じ顔ぶれ。広島にとってCS出場は5年ぶりで、ファーストステージからの参戦は9年ぶり。セ・リーグで2位以下の球団がシリーズに進出したのは17年が最後だ。球団史上初めて本拠地でファーストステージを迎えるCSから、広島は“下克上”の歴史を塗り替えられるだろうか。
監督が描く短期決戦の戦い方
就任1年目からCSに挑む新井貴浩監督は、シーズン中「私たちは戦いながら強くなっていく」と言い続けたように、目先の勝利だけでなく中長期的ビジョンを描いて戦ってきた。だが、CSでは一転「流れが悪いなと思ったら、こちらから思い切って動きを出していかないといけない」ときっぱり。短期決戦仕様の戦い方にシフトすることを明言した。
「レギュラーシーズンとCSっていうのは、まったくの別物だととらえています。戦い方も変えないといけない。シーズン通り戦っていては短期決戦では難しい。そういう点では最終戦で戦ったような形というのも考えながら、いろいろプランニングして戦いたいと思います」
その最終戦で新井監督は先発・大瀬良大地を3回途中で代え、計7人の投手を投入。攻撃面でも好機で惜しみなく代打を投入するなど、試合には敗れたものの、短期決戦仕様の戦い方を披露した。
長丁場のプロ野球ペナントレースはマラソンにたとえられることがある。ペナントレースが長距離走なら、ポストシーズンは短距離走。それだけに、新井監督は短期決戦仕様の戦い方の重要性を感じている。