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流血戦でコメント欄炎上も…史上最年少でスターダム・リーグ戦制覇、鈴季すず21歳の“飛び級”人生を支えた「カリスマの言葉」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byEssei Hara

posted2023/10/12 17:03

流血戦でコメント欄炎上も…史上最年少でスターダム・リーグ戦制覇、鈴季すず21歳の“飛び級”人生を支えた「カリスマの言葉」<Number Web> photograph by Essei Hara

2023年の5★STAR GP。決勝で舞華を破り初優勝を果たした鈴季すず

葛西純からの言葉「思い出したら頑張れる」

 葛西純と初めてハードコア戦で当たったのも横浜ラジアントホールだった。ハードコア7番勝負、10代の“女の子”が男子選手に大流血させられる光景は衝撃的で、ニュースサイトのコメント欄は荒れに荒れた。そんな中で「自分がやりたいことをやってこその人生だろ」と励ましたのが葛西だ。今年4月、後楽園でのデスマッチ10番勝負最終戦の後には花束を渡した。

 葛西が勝って、すずの健闘をマイクで称える。そんなありきたりな光景はもういいと葛西は予告していた。勝ったら何も言わないと。マイクを握らない代わりに手にしたのがガーベラの花束だった。花言葉は「希望」、「常に前進」、「前向き」だという。

 花束を手渡すと、プロミネンスを、つまりデスマッチ最前線を去るすずに耳打ちした。その内容は「言えません」とすず。

「ただ、自分の背中を押してくれる言葉でした。もうね、“大押し”です。死んでも忘れないですね。辛い時に思い出したら頑張れる言葉です。あの言葉があるから今こうして優勝できたし、あの言葉なしではプロレス界の顔になることもできない。“葛西純すげえな”って思います」

「乞うご期待ってやつですよ、へへへ」

 キャリアのすべてが、2023年9月30日の横浜武道館につながっていた。優勝を決めたすずは、11月18日の大阪大会でワールド王座に挑戦すると表明。昨年、一昨年とリーグ戦優勝者は年末の両国国技館大会でタイトルに挑戦しているが、すずは「両国まで待ってられない」のだった。

「だってベルトを獲ることじゃなくプロレス界の顔になるのが目標なので」

 実はそれも最終的なゴールではない。プロレス界の顔になって、ということは葛西純よりもグレードが上のレスラーになって、またデスマッチをやってやろうとも思っている。

「プロレス界の顔になったら、デスマッチでも誰にも負けない。乞うご期待ってやつですよ、へへへ」

 男女の枠もルールの違いも関係ない。鈴季すずには鈴季すずの人生があり、他の誰とも比べられない。中学時代、プロレスラーになると決めた日からずっとそうなのだ。

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