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ドラフト指名漏れ、12球団戦力外選手の合流も?「一軍を持たない新球団」1952年以来の参加…「ハヤテ223」45歳代表の決意とは 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/10/10 11:00

ドラフト指名漏れ、12球団戦力外選手の合流も?「一軍を持たない新球団」1952年以来の参加…「ハヤテ223」45歳代表の決意とは<Number Web> photograph by Hayate 223

新球団である「ハヤテ223」が本拠地とする清水庵原球場。静岡の地をベースにウエスタン・リーグで戦うことになる

 もし九州の火の国サラマンダーズが最終選考に残っていれば、ウエスタン・リーグ加入がすんなり認められただろうが、火の国は辞退。最終的に残った3候補は、いずれも中部以東だったが、1球団がウエスタン、もう1球団がイースタンに所属し、1球団は落選することが前提になった。

 9月29日のオーナー会議で、新潟アルビレックスとハヤテ223が、来季からのファームリーグ参加を認められた。

45歳代表が語った「いくつかの宿題」とは

 10月2日、静岡市役所でハヤテグループ代表の杉原行洋氏による記者会見が行われた。

 ハヤテグループは2005年に設立された、東京兜町に拠点がある金融関連企業グループである。「挑戦者を支え、 挑戦者を増やし、挑戦者になることで、社会の温度を上げる」をミッションとし、成長企業支援(金融)事業、ディープ・テック事業を展開してきたが、このたびファームリーグ参加を機にスポーツ事業も立ち上げる。

 2月には地元静岡で、市民向けの意見交換会を開き、7月には県、静岡市と連携協定を結んでいる。

「9月29日のオーナー会議で、静岡県でファームリーグ参加ということで内定を頂戴いたしました。これから2カ月の準備期間をかけて、11月22日に正式決定する運びです。今決定していることとしましては、静岡市清水区の清水庵原(いはら)球場を本拠としてウエスタン・リーグに加入するということでございます。参加に当たってはいくつかの宿題を頂戴しております」

 45歳の杉原氏は、丁寧な口調で説明を始めた。

 本拠地球場の安全面の問題、指導者や選手、トレーナーなどの選定、さらには地元スポンサーの獲得、この3つの進捗を11月までに報告するとした。

 球団名もまだ決まっていないが、11月3、4日に球団独自のトライアウトを開催することは決まっているという。それまでに核となる指導者層、監督や一部のコーチを決める予定とのことだ。

ドラフト漏れのアマ、戦力外、外国人選手が

 新球団ハヤテでプレーする選手は、以下の3カテゴリーに分かれる。

 1.ドラフト会議から指名漏れしたアマチュア選手
 2.既存のプロ野球チームから戦力外になった選手
 3.外国人選手

 今年のドラフト会議は10月26日に行われるから、11月3、4日のトライアウトには、このドラフトで指名されなかったアマチュア選手が参加するはずだ。「プロ志望届」を出していることが前提になるだろう。杉原氏は「ドラフトに漏れたダイヤの原石を見つけたい」と語った。

【次ページ】 独立リーグを上回る戦力整備の必要性が

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