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「選手が金縛りにあったように…」巨人・原辰徳監督が退任後にポツリと漏らした“本音”「この2年半、チームが思うように動かずね」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/10/08 17:11

「選手が金縛りにあったように…」巨人・原辰徳監督が退任後にポツリと漏らした“本音”「この2年半、チームが思うように動かずね」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

巨人軍を率いて累計17年、9度のリーグ優勝と3度の日本一に導いた原辰徳監督。今季限りで退任することを決めた

 投手陣、特にリリーフ陣の整備がなかなかできずに勝ち試合を落としてきたことも、この2年半、勝ちきれなかった一つの要因である。ただ、攻撃型の原野球で打線が思うように機能しなかったことはチームの歯車を軋ませた一番の要因だった。特に昨年も今年もシーズン終盤の勝負所で、打線の勝負弱さが露呈してしまった。

 9月23日の広島戦に敗れ、Aクラス入りを懸けた最後の正念場となった24日からのDeNA3連戦での負け越しが典型的だった。初戦を坂本の2本塁打、戸郷翔征投手の力投で6対0と圧勝した。しかしその矢先の2戦目は4安打完封負け、次の3戦目も5安打0点で2試合連続の無得点に抑え込まれCS出場への望みはほぼ断たれた。

 特に第3戦ではDeNA先発の東克樹投手の立ち上がりを攻めて2回には1死満塁、3回にも1死一、二塁とチャンスをつかみながら、2回は8番の吉川尚輝内野手が空振り三振、3回は岡本和真内野手が2球目を遊飛、大城卓三捕手も3球目をあっさり打ち上げて左飛に倒れて先制点を奪えなかった。その裏に先発の山﨑伊織投手がタイムリーを浴びて1点を許すと、その1点を返すことができないままにズルズルと敗れ去ったのである。

「何かが足りないんでしょうね、このチームにはね」

 3戦目の試合後に原監督は絞り出すようにこうチームの現状を語った。

4番・岡本は本塁打王に輝いたが…

 2年半前からチームがずっと抱えてきた問題、それがこの得点力不足、大事な場面でのタイムリー欠乏症である。今季もチーム打率2割5分2厘と164本塁打はリーグトップ。しかし523得点はリーグ3位と得点能力の低さが際立っている。走者は出すがタイムリーが出ない。一発でしか点が奪えない。

 典型的だったのが4番を任された岡本である。

 今季は自己最多の41本塁打を放って、本塁打王にも輝いた。もちろん球界を代表するスラッガーで、巨人の主砲として文句のない数字である。ただ、41本塁打のうち28本がソロ本塁打で、得点圏打率は2割3分3厘という低さだ。結果として打点はDeNAの牧秀悟内野手の103打点に対して、本塁打数で12本も上回りながら10打点差をつけられた93打点で終わっている。

 断っておくが岡本がいなければもっと惨憺たる成績になっていただろう。しかし、岡本が得点圏に走者を置いてもう少し打っていれば、もっと楽に勝てた試合があったという指摘も間違いではなかった。

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