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「俺たちは石川祐希や高橋藍のスパイクを受けている」日本が誇る2人のリベロ・山本智大&小川智大が“世界一”を自負する理由〈男子バレー〉
posted2023/10/04 11:20
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yuki Suenaga
バレーボール・パリ五輪予選。2戦目で早くも黒星を喫していた男子代表は、“絶対に負けられない” 3戦目のチュニジア戦で見事にストレート勝ちを収めた。そんな悪い流れを断ち切った試合で、実は隠れたビッグプレーがあった。しかも、ここまで苦戦してきた「魔の第3セット」のファーストプレー。日本代表を陰で支えるスペシャリストに焦点を当てる。
20時39分、パリ五輪予選で初めてストレート勝ちを収めた直後、スターティングメンバー7名がコートでのインタビューに笑顔で応じる。
「最高でーす!」
ひときわ響いたのは、リベロの山本智大の雄叫びだった。
ここまでの2試合、第2セットまでは圧倒するのに第3セットが取り切れない、悪い流れが続いた。フィンランドにはなんとかフルセット勝ちを収めるも、エジプトにはまさかの逆転負け。世界ランキング5位まで上昇し、さらに期待が高かった分も相まって「ここで負けるようではもう厳しいのではないか」といった落胆の声が相次いだ。そのダメージは、選手たちにとっても決して小さなものではなかった。
“もう一人のリベロ”のビッグプレー
第3セットから崩れるという、二度も同じパターンを繰り返して迎えたチュニジア戦。言わずもがな、その入り方に注目が集まった。
最初の1本、そこでビッグプレーが生まれる。
悪い流れを断ち切ったのは、この第3セットから投入された山本と同じリベロの小川智大だった。