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藤井聡太七冠に敗れて“眠れない”ほどの死闘…観る将マンガ家が胸キュン「永瀬王座の粘り、女流タイトルも三段リーグもアツい!」
posted2023/10/01 06:02
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
日本将棋連盟/Junsei Chida
9月末まで30度超えの真夏日が続く中で、バスケットボールとラグビーW杯、サッカー日本代表の大活躍、プロ野球のクライマックス……と各競技が大盛り上がりですね。もちろん将棋も、ファンにとってたまらない対局が続いています。もしお見逃しの読者の方がいらっしゃったら、ぜひイラストとともに振り返ってみてください!
1)藤井聡太vs永瀬拓矢の王座戦が、まさに死闘
名誉王座か、それとも八冠全制覇か——永瀬拓矢王座が藤井聡太竜王名人を挑戦者として迎えている第71期王座戦が、第3局まで終了しました。ここまでの結果は以下の通り。
<第71期王座戦>
第1局(8月31日):150手で永瀬王座が1勝目
第2局(9月12日):214手で藤井竜王名人が1勝目
第3局(9月27日):81手で藤井竜王名人が2勝目
第1局の結果は先月のハイライトでもお伝えしましたが、3局すべて、対局内容が濃すぎて中継にかぶりつくように見ていました。第2局は妻氏、担当編集さんの3人で見ていたんですが、対局が終盤を迎えると、担当編集さんがポツリとつぶやきました。
「これ、現地からの話だと後手の入玉(※敵陣に王将が入り込むこと。相手は玉を詰ませることが難しくなる)になっていったら、最終的には持将棋(※両方の玉が入玉した場合、両者が合意すると成立。盤上にある駒を点数に変換して、双方が24点以上になった場合は指し直しとなる)になるかもしれないとのことです」
粘りが信条の永瀬王座ならありうる……。
担当編集さんは神奈川の元湯陣屋で行われた第1局も取材に訪れており、「取材していた皆さんが“小田原辺りで宿を取っておいたほうがいいかもなあ”という話をしていて震えました(終局は21時11分)。となると第2局、さらにどうなってしまうんだろう」と戦慄していました(笑)。
実際、ABEMAの評価値にも〈持将棋の点数〉がチラチラと見え始めて「こ、これは……」とブルブルしていた死闘は、22時2分に終局。「2人の対局だと長くなるのが基本らしいです」という感想戦は、23時近くまで行われていました。対局者のおふたり、関係者や報道の皆さん、本当にお疲れ様です……。
盤上の力比べは、まさに死闘の様相
そして9月27日に名古屋で行われた対局も、手数こそ第2局の半分以下でしたが濃密すぎる戦いでした。