モーターサイクル・レース・ダイアリーズBACK NUMBER
クアルタラロ「いいレースをする自信はあった」…インドGPでヤマハとホンダが突然の快走を見せたワケ《日本GPも期待できるか?》
posted2023/09/28 11:06
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
9月24日に決勝レースが行われた第13戦インドGPで、ホンダ、ヤマハのかつての2強が、ひさしぶりに力強い走りを見せた。
ヤマハのエースで2021年のチャンピオン、ファビオ・クアルタラロが3位になり、第3戦アメリカズGPに続き、今季2回目の表彰台を獲得した。チームメートのフランコ・モルビデリも随所で光る走りを見せて7位でチェッカーを受けた。
ホンダのエース、マルク・マルケスも土曜のスプリントレースで3位になり、開幕戦ポルトガルGP以来2度目のメダルを獲得。日曜の決勝レースでは5番手グリッドから好スタートを切って、序盤はフランチェスコ・バニャイア、ホルヘ・マルティンのドゥカティ勢と2位争いのグループに加わった。久しぶりに表彰台を争う走りを見せたマルケスだが、6周目の1コーナーでスリップダウン。16番手でレースに復帰すると、そこから怒濤の追い上げを見せて9位でチェッカーを受けた。
また、今季度重なる転倒と怪我でどん底のレースが続いていたチームメートのジョアン・ミルが予選5番手、決勝も今季ベストの5位となり、総合ランクでトップ10に入っていないホンダ、ヤマハのワークス4選手全員が、今季初めてトップ10フィニッシュを達成。10月1日決勝の日本GPに向けて大きな期待感を抱かせた。
ホンダとヤマハがインドで速かった理由
だがライダーたちは、モビリティリゾートもてぎで開催される日本GPに向けて決して楽観的ではない。その理由について、マルケスはインドGPの初日を終えたときに、こう語っていた。
「マシンもいつも通りで何も変わっていないし、セッティングも同じ。前回のミサノ(サンマリノGP)と同じだけど、今回は初めてのコースなのでマシンではなくライダーのパフォーマンスが差を生み出すこともある。その証拠にファビオもミルも、これまでとは違うリザルトを残せている」
つまり、コースのデータがないサーキットでは、マシンのアドバンテージを発揮するのが難しく、それ以上にライダーのパフォーマンスが結果に大きく影響する。それは予選、決勝を通じて変わらなかったし、ホンダとヤマハの4選手のリザルトがなにより雄弁に物語っている。