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「ニコニコの2人ってことで!」岸本彩良(16歳)&田村篤彦(19歳)の新カップルが国際デビュー…“危険度高め”のダイナミックな演技
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2023/09/27 17:00
日本ジュニアGPで国際主要大会デビューを果たした岸本彩良・田村篤彦組。ダイナミックな演技で会場を沸かせた
随所に、柔軟性の高い岸本のポージングを生かしきった振り付けがちりばめられ、そのたびに拍手が起こる。最後は、岸本がアイデアを提案したというコレオグラフィックリフト。女性の手と足を男性が持って、振り回す、というかなり危険度の高い技だ。
エキシビションやアイスショーで見かけることはあるが、試合で入れているカップルはまずいない。観客からも大歓声が沸き起こり、フィニッシュポーズを決めた。
「やっぱり緊張はしましたが、リズムダンスよりも息を合わせて演技できたかなと思います」(田村)
「今日は楽しむことが一番の目標だったので、それができてよかったです。今日は『さらあつ』の楽しい所を出せたと思います」(岸本)
得点は、フリーダンス87.81点、総合144.78点での4位となった。派手な演出や演技力は高く評価された一方で、ワンフットターンやダイアゴナルステップなど、滑りの力そのものを問われる技では、レベルがまだ1~2と、課題も見つかった。
「アイスダンスはステップやパターンダンスのレベルが一番大事なのに、そこがとれてなかったですね。次のジュニアGPポーランド大会ではレベルがとれるように練習します」(岸本)
「2人は、一言でいうとどんなチーム」と問うと…
可能性を無限大に感じさせる2人。お互いの滑りをどう感じているのか聞くと、こう答えた。
「彩良ちゃんは踊るのが上手なので、毎日彼女を見ながら学んでいます。僕は身体がガチガチなので、彩良ちゃんのように柔らかく踊れるよう、毎日ストレッチしてます」(田村)
「今日の試合が始まる前に田村くんに『緊張してる?』と聞いたら『大丈夫、大丈夫!』と言ってくれて、それで緊張がほぐれたんです。頼りになります」(岸本)
インタビュー中にも、お互いの顔を見て、気持ちを確認しあうように話す。
「2人は、一言でいうとどんなチーム?」と問うと、見つめ合い、プッと吹き出した。
「なんだか、いつも2人で笑ってるって感じです」(岸本)
「そうですね。いつも笑ってるので、ニコニコの2人ってことで!」(田村)
なんとも仲良さそうな、ジュニアの新カップル。2人の伸びしろに期待したい。