フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
「ニコニコの2人ってことで!」岸本彩良(16歳)&田村篤彦(19歳)の新カップルが国際デビュー…“危険度高め”のダイナミックな演技
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2023/09/27 17:00
日本ジュニアGPで国際主要大会デビューを果たした岸本彩良・田村篤彦組。ダイナミックな演技で会場を沸かせた
「北京オリンピックに出た方々といつも滑っているので、それを邪魔しないようにと思いながら滑っているうちに、スピードや滑りが身についてきたのかなと思います」と田村。
そして迎えた、今回のジュニアGP日本大会は、2人にとって初めてのISU主催大会。パーソナルベストなどの公式記録がマークされる重要な大会だった。
今季のリズムダンスは、ロボットに扮するユニークなプログラムを選んできた。2人はロボットをイメージしたグレーのパンツスタイルで登場。冒頭のツイズルはピタリと決まった。56.97点で4位につけると、2人ともほっとした様子を見せた。
「初めてのジュニアGP大会が日本で良かったです。観客の前で、楽しくできました」と岸本。田村も「ちょっとぶつかってしまった所もありましたが、全力で楽しめたと思います」とうなずいた。
そして迎えた9月16日の最終日。ジュニアの大会だというのに、チケットは完売。女子フリーは夜の試合だったが、午後のフリーダンスの時間帯から満席になった。日本のファンが期待していたのは、岸本&田村組のフリーダンス『Misirlou/Girl,You'll Be A Woman Soon/Pump It』だ。
昨季から継続しているこのプログラム。遊び心に溢れ、アイスダンスというよりはペアに近いアクロバティックな技が詰め込まれている。一瞬たりとも目が離せない振り付けなのだ。
中盤の見どころ、田村が氷上で腕立て伏せをするシーンは、一度見たら忘れられないだろう。実は、昨季に振り付けたばかりの頃は、腕立て伏せの後に田村が氷上に寝転び、そのお腹を岸本が踏んで行くという、さらにユニークな内容だった。しかし「氷上に横たわると不正要素」というルールに該当してしまい、カナダの地域大会で0点に。
危険度の高い技に、観客も大歓声
この日本大会では、踏みつけるシーンの代わりに、岸本が180度開脚するダイナミックな振り付けに変わっていた。