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核心にシュートを!BACK NUMBER
“現地報道は辛口”だけでは見えない遠藤航30歳リバプールEL初戦の背景「失ってはダメですが…」クロップ監督も「ミス自体はあり得るぞ、と」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJohn Powell/Getty Images
posted2023/09/22 18:21
EL開幕節でリバプール移籍後2度目の先発出場を果たした遠藤航
「最終的には勇気と落ち着きですよね。プレッシャーがある中でどうしても『ワンタッチでシンプルにはたいたりするのが良いプレー』みたいなイメージが日本的にはあるかもしれないんですけど、世界的な中盤のトップ選手を見てると、相手がプレッシャーにきているのにワンタッチではたくオプションがない時に、一人ではがせるので」
だから、遠藤は今、こう話す。
「シュツットガルトの時もああいうところで取られていなかったかというと、そうではないし。結局『シュツットガルトの時は良かっただろう』というイメージが先行しているというか……。今日みたいなパフォーマンスが、シュツットガルトのときと比べてめちゃめちゃ悪かったかというと、そうではないですから。もちろん、見られ方は『リバプールの選手だから……』となるとは思いますけど」
もちろん、上手くいかないときもある。そして、その反省もする。だが、彼は決して恐れない。
だから、昨シーズンなどはそこで良いパフォーマンスを見せ続けられたわけだし、それが今シーズンのリバプール移籍へとつながったわけだ。恐れずにトライする勇気こそが、ヨーロッパの舞台で遠藤を成長させてきた要因である。
原口元気が語っていた「参考になる航のプレー」
もちろん、これは一介の記者の見立てだけではない。
実は以前、原口元気がNumberWebのインタビューでこんなことを語っていた。
当時の原口は本格的にインサイドハーフを務めるようになったばかりで、似たようなポジションで戦うブンデスリーガの選手をよく観察していた。
「相手のプレッシャーを受けながら、いかにしてボールを受け、味方につないでいくか。それを考える上で、(遠藤)航のプレーは参考になります。個人的に感じるのは、厳しいところでボールをもらって失う時もあるけど、それでも怖がらずに受け続けることで彼は良さを出している。後方からのボールの勢いを殺さずに、上手く前に運んでいくプレーもあるので」
ワンシーンだけを切り取られても仕方がないというか
遠藤をここまで成長させたのは、リスクと隣り合わせのなかで、心折れずにトライし続けたからなのだ。