「あのワンシーンだけを切り取られても仕方がないというか。その後に交代させられたので、見られ方は悪くなっているのかなと思いますけど。前半に（カウンターの場面で）ドリブルで運んだ（ことで相手を外した）シーンもあったわけで。相手をはがせればチャンスになると思うし。奪われればピンチになるし、それはなくさないといけないです。ただ、それでもトライをしていければ……」

　遠藤は周囲のスーパースターたちに気後れしているわけではない。毎試合先発で出ていたころと比べての試合勘の問題もあるとは思っていない。

　ただ、虚勢を張るのではなく、今回のプレーで上手くいかなかった原因の一つは見極められている。

「自分に今求められているところは、守備の部分でしっかりと貢献するというところなので。今はそこに結構力を使っているというのはあるかもしれないですよね。シュツットガルトにいたら守備で（体力を）上手くコントロールしていても何も言われず、攻撃のときに相手をはがすパワーが十分にあるみたいなこともあるので。

　それに、今はセンターバックの選手たちも、ハーフウェーラインを越えて高い位置を取るようなサッカーをしている。（シュツットガルト時代と比べて守備になったとき、スプリントによる平均的な移動距離が）わずか5メートルかもしれないですけど、動きとしては全然違うところなので。そういう所でも使うパワーが違うのはあるかもしれませんね」

　そこは適応しないといけないところで、移籍を経験すれば、ほとんどの選手が直面する問題である。それは遠藤もよくわかっている。だから、悲観することなく、この状況を俯瞰的に見ていられるのだ。

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「ミスすること自体はあり得るぞ」とされていた

　もちろん、監督から絶対にボールを失わないことを考えてプレーしろ、と言われるのであれば、そのときには変える。ただ、試合前にはこういう話をされたという。

「うちのやっているサッカー自体が、カウンタープレス（＊ゲーゲンプレスの英語版）で『ミスすること自体はあり得るぞ』という話を（クロップ監督から）されていたので。その後に、しっかりとボールを奪い返す回数を、増やせるかどうかというところがテーマだと思うので」

　あるいは、チームメイトとの関係についても、前回先発したニューカッスル戦などと比べたときに変化を感じている。

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