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「オオタニがいれば“5880億円”で売れる可能性も」 大谷翔平“エンゼルスとの再契約”は実際あり得る?「選手のお手本」「資産価値」2つのホンネ
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/19 18:53
今季のプレー終了が発表された大谷翔平
GMと監督が揃って『翔平こそがチームリーダー』と力説した真意は、『今後のエンゼルスは翔平を中心にチーム作りを進めていく』というメッセージだ。再契約へ向け、彼らは自分らが出来る限りの努力に努めた。
さて、右肘の靱帯に2度目の損傷が発覚しても、大谷の新たな契約は史上最高額になるだろうと予測される。大谷がFA市場に出るのは、ワールドシリーズ終了翌日から5日目になる。今年の日程で同シリーズが第7戦まで続いた場合、11月9日となる。それでまではエンゼルスのみが大谷との独占交渉が許されている。
大谷のリハビリは誰が管理する?
ここでひとつの疑問が生まれる。大谷がFA市場に出回り、エンゼルスを含めた30球団との交渉を開始すれば、新たな契約締結はクリスマス前後となるのが一般的だ。となると、11月9日からそれまでは大谷は無所属となる。
ミナシアンGMは16日の会見で右肘の手術を「出来るだけ早く行いたいと考えている」と語った。予想される「インターナル・プレース」、「トミー・ジョン手術」、「ハイブリッド手術」のいずれを選択しても、そのリハビリは医療スタッフの厳正な管轄下のもとに行われる必要がある。経験と知識、設備もしっかりした球団医療スタッフの管理なくして、復帰の道は生まれない。
だが、大谷がFA市場に出た場合、所属先が決まらない『空白期間』が生まれる。この期間のリハビリは誰が管理するのか。これは大きなポイントとなる。この問題を先の記者会見で追及したのはESPNのアルデン・ゴンザレス記者だった。
「大谷はFAになる。このようなケースで彼ら(大谷と代理人)に治療の選択を委ねるのか」
ミナシアンGMは毅然として答えた。
「それは翔平と彼のグループが決めることだが、私はそれを尊重する。間違いなく彼の決断を尊重する」
再契約への“エンゼルスの本気度”
契約に詳しいメジャー関係者がこの質問と答えの意味を解説してくれた。
「トミー・ジョンなどの手術を契約期間内に行うか、もしくは契約期間内にコミットすれば、エンゼルスが費用、リハビリのすべてを負担することになります。仮に契約期間内に契約せず、手術をしないと決断し、再契約をしないと決まった場合、双方がリリースにサインをした上でエンゼルスはその債務から外れることになります」