新監督候補には前バイエルン監督ユリアン・ナーゲルスマンのほか、前オランダ代表監督ルイス・ファン・ハール、先日「トルコの代表監督を解任」とトルコメディアに報じられたシュテファン・クンツらの名前が挙がっている。最有力はナーゲルスマンとされながら、バイエルンとの契約に関する金銭的な問題、クラブでの監督キャリアを考えるナーゲルスマンの意向など、簡単に答えは出なさそうだ。

最有力のナーゲルスマン　©AFP=JIJI PRESS

　そんななか、元ドイツ代表監督ベルティ・フォクツはライニッシュヘンポスト紙のインタビューで「このままではうまくいかない。DFBでは多くのことが間違った方向に進んでいる。新しい代表監督1人ではなんともできない」とドイツサッカー全体へ警鐘を鳴らしている。

　フォクツはリバプール監督ユルゲン・クロップや現韓国代表ユルゲン・クリンスマンを例に挙げ、「選手もファンをも熱狂させられる経験豊富な指導者が代表監督に必要だ」と話している。「あるいはミヒャエル・バラック、バスティアン・シュバインシュタイガー、フィリップ・ラームは何かを動かすことができる人材だと思う」と元代表キャプテンたちの力を借りることも視野に入れるべきという指摘にはうなずけるところもある。

フェラーが職場に戻って、することは…

　暫定監督としてドイツサッカーに確かな光をもたらしたフェラーには、今度はDFBのスポーツディレクターとして、ドイツ代表に新たな息吹を吹き込める最適な監督を見つける仕事が待っている。アシスタントとして確かな仕事を果たしたヴォルフとワーグナーの両コーチに関しては、新監督のもとでも続ける可能性はあるという。

　来年ドイツ開催の欧州選手権で列強国とも戦えるチームを作りつつ、将来に向けたビジョンをもって代表全体の構造を改革していける人材。ナーゲルスマンなのか、ファン・ハールなのか、あるいは意外な抜擢があるのか。

「フランス戦勝利がドイツサッカーの歴史において大きなターニングポイントとなった」

　将来的にそう振り返られるようなフェラーの慧眼に期待したい。