屈辱の惨敗→監督解任劇「また布陣変更に問題を抱えた」ドイツに欠いて、日本代表が持っていたもの…名手キミッヒ「僕たちは“自信”を」

　日本の歴史的大勝は、ドイツ代表の選手をはじめとしたドイツ人にはどう受け止められているのだろうか。そこに目をやれば、衝撃的な一戦の価値に奥行きが生まれる。本稿ではそこにスポットを当てて掘り下げていきたい。

　ただ、あの一戦についてのリアクションを探る前に、あの試合の前に公開された“貴重な資料”について触れておかなければならない。

密着映像でフリック監督が語っていたこと

　今回の一戦を前に、Amazonプライムビデオの人気ドキュメンタリーシリーズ「All or Nothing」による、ドイツ代表のカタールW杯の密着映像が公開された。そして、これがドイツで物議をかもすことになった。「フリックはドイツ代表監督にふさわしくない」とドイツ人が判断するようなシーンが続出していたからだ。フリック監督もこう答えざるをえないほどだった。

「まず、私はその映像を見ていない。そして、それを見るだけの時間もまだない。ドイツサッカー協会には契約があり、我々はそれを受け入れないといけない。もしも大会で良い結果が残せなくても、契約を履行しないといけないのだ」

　彼らにとって苦々しい場面が続くドキュメンタリーには、日本人にとっては、非常に興味深い場面があった。カタールW杯で日本に不覚をとったあと、フリック監督が選手たちに議論をうながした場面だ。そのなかでキミッヒはこんな発言をしている。

カタールW杯、日本vsドイツでの鎌田とキミッヒのマッチアップ　©Kiichi Matsumoto/JMPA

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「5バックで挑んでくるチームとの戦いには以前から問題があると感じていたんだ。それがまさに日本戦の後半に出てしまった。（日本が4バックで対応していた）前半のほうがまだマシだった。また、日本の5バック（での攻撃）に対して、僕らが〈4-2-3-1〉で守る際にも問題を抱えていたとピッチ上では感じた」

　日本の守備がドイツを苦しめたという感覚は多くの日本人のなかにもあるのだろうが、日本の攻撃も彼らにとって脅威となっていたようだ。

W杯、ミスマッチに気づいた森保監督の布陣変更

　ちなみに、あの試合ではズーレがドイツの攻撃時に3バックの右センターバックとなり、守備時には右サイドバックとなる役割だったが、彼があのポジションで、あのような役割をするというのは――日本代表の事前の分析ではあまり想定されていなかったという。

　その影響がなかったといえば嘘になるだろう。

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