熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
“移籍金350億円PSG→報酬506億円サウジ”がアンチ増加の要因か…ネイマール“涙のペレ越え79発”もブラジル国内は「醒めている」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2023/09/17 11:04
W杯南米予選でペレ越えとなる代表通算79ゴールを達成したネイマール。国内でのリアルな評判は?
セレソンのフェルナンド・ジニス監督が「チームにとって死活的に重要な選手」と特別な信頼を置けば、ネイマールも「ジニスは、話すことも戦術も極めてユニーク」と語り、「彼からの信頼に応えたい」と意気込む。当面、2人の関係は極めて良好で、エースが気持ち良くプレーしていることがチーム全体にエネルギーと安心感を与えている。
ただし、今回の記録更新にブラジル中が沸き立っている、というわけではない。国内メディアと国民はかなり醒めている。
ピッチ外の数々のトラブルと未熟な言動に…
それは、W杯に3回出場しながらチームを優勝に導くことができず、期待を裏切り続けていること、近年、あまりにも故障が多いこと、そしてピッチ外の数々のトラブルと未熟な言動に多くの人が辟易しているからだろう(注:PSGのサポーターは、退団直後の試合で「育ちが悪い奴がいなくなって清々した」という垂れ幕をスタンドに掲げた)。
それでも、ボリビア戦で故障明けとは思えないプレーを見せたことで、国内メディアと国民の彼への期待は再び高まりつつある。
今後、クラブと代表でどのようなプレーを見せるのか、そして2026年W杯開幕時にはどのような状態にあるのか――。母国のメディアと国民は、期待と不安が入り混じった気持ちで背番号10を見つめている。