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“移籍金350億円PSG→報酬506億円サウジ”がアンチ増加の要因か…ネイマール“涙のペレ越え79発”もブラジル国内は「醒めている」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2023/09/17 11:04

“移籍金350億円PSG→報酬506億円サウジ”がアンチ増加の要因か…ネイマール“涙のペレ越え79発”もブラジル国内は「醒めている」<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

W杯南米予選でペレ越えとなる代表通算79ゴールを達成したネイマール。国内でのリアルな評判は?

 バルセロナでは、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシに心酔し、ピッチ外でも親友となった。2014年には、ウルグアイ代表FWルイス・スアレスが加入。3人は「MNS」と称され、以後の3シーズンで363得点を記録。「世界フットボール史上最高のトリオ」と称され、ファンを熱狂させた。

350億円のPSG電撃移籍から風向きが変わった?

 ところが、2017年、ネイマールが2億2200万ユーロ(約350億円)という途方もない移籍金でPSGへ電撃移籍。トリオが解体されてしまう。移籍の理由について、本人は「欧州チャンピオンズリーグ(CL)制覇を目指す、というクラブの野心的なプロジェクトに賛同した」と説明した。しかし、「王様メッシの忠実な副官のままでは世界一の選手になれないと考え、別のクラブで王様となるためにバルセロナを離れた」、「父親と本人が金目当てで行なったステップダウン」などと揶揄された。

 当初は、PSGサポーターから大歓迎を受けた。しかし、次第に故障が増えていく。チームは2019-20シーズンにクラブ史上初めて欧州CL決勝へ進出したが、バイエルン・ミュンヘンの前に散って準優勝にとどまった。

 その後はさらに故障が増え、重要な試合を再三欠場。地元メディアが私生活の乱れを報じ、サポーターから強い批判を浴びるようになった。

 そして、今年2月、フランスリーグの試合で右足首を骨折して残りのシーズンを棒に振る。破格の高給を得ているにもかかわらずチームへの貢献度が低いことにPSGのサポーターは激怒し、5月、彼の自宅を取り囲んで「出ていけ」のコールを繰り返した。この一件で、ネイマールは自分がパリでは愛されていないことを思い知らされた。さらに、ルイス・エンリケ監督から今季の戦力とみなされていないことを知り、PSG退団を決意したようだ。

バルサに“フラれる形”で506億円サウジ移籍を決断

 当初、本人は古巣バルセロナへの復帰を願ったようだが、かつてチームメイトだったシャビ監督が「彼の存在は他の選手に悪影響を及ぼす」と考えて加入を望まなかったされる。このため、本人サイドがプレミアリーグの複数の強豪クラブなどに獲得を打診したと報じられたが、獲得に強い熱意を示したクラブはなかったようだ。

 こうして、8月中旬、2年契約で移籍金が推定1億ユーロ(約158億円)、契約期間中に彼が受け取る報酬の総額は各種ボーナスを含めて推定3億2000万ユーロ(約506億円)というとてつもない条件でアルヒラルへ移籍した。

 ただし、PSGでのプレシーズン期間中に右太ももを故障し、アルヒラルでデビューしないまま8日、セレソンのボリビア戦に出場した。

【次ページ】 ピッチ外の数々のトラブルと未熟な言動に…

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