イングランド戦のキーマン

　そんなディアンズですが、イングランドとの次戦では非常に大きな役割を果たすキーマンになると見ています。イングランド代表は、非常にトラディショナルなラグビーをするチームで、簡単に言うと「負けない」ことに特化したチーム。伝統的にセットピースが強く、派手に自陣からボールを継続してトライを奪うチームではありません。トライを取ってくるとしたら敵陣に深く入ったラインアウトが起点になるでしょう。また、日本がボールを確保することも容易ではありません。ヘッドコーチのボーズウィックはラインアウトのスペシャリスト。空中戦でジャパンを混乱させることを戦略の柱に持ってくるでしょう。

©Kiichi Matsumoto

　セットピースからの攻防で、相手からいかにボールを奪い、いかに相手に取らせないか。特にラインアウトからのトライ、ラインアウトモールという武器を考えると、ディアンズの必要性が高まる試合になるのは間違いないはずです。先発メンバーに入る可能性も十分にある。ロックは大会直前で怪我やコンディション不良で選手層が不安定になりました。ここにきて空中戦を本職とする“リアルロック”のディアンズが復活したのは日本代表にとっても光明です。ロックだけれどロック以上に動けるディアンズのプレーに注目したいと思います。

（構成：佐藤春佳）