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井上尚弥の“次の標的”タパレスを直撃…圧倒的不利との予想も、なぜそんなに自信がある? 独占取材で感じた“ちょっと不気味”なところ
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2023/09/11 11:00
実現が有力視される井上尚弥(30歳)との4団体統一戦へ意欲を語ったマーロン・タパレス(31歳)
――実際に井上選手はパウンド・フォー・パウンドでも最強レベルと目されるようになりましたが、弱点らしきものは見えてきていますか? また、フィリピンの英雄マニー・パッキャオからもアドバイスは受けているのでしょうか?
MT 井上にも弱点はあると思っています。ただ、ここで話すつもりはなく、私の心の中にしまっておきます(笑)。パッキャオからもいいアドバイスを受けていますが、それも明かせません。試合が終わったら話しますよ(笑)。
――自身の能力の中で最も自信を持っているのはどの部分でしょうか?
MT ハートです。私もパワー、スピード、ディフェンスを備えているという自負がありますが、ハートの強さがなければパンチの強さは役には立ちません。心が強いからこそ、パンチを当てた際に相手にダメージを与えられるのです。
「あの試合であなたは驚いたんですか?」
――4月、あなたがムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に勝ち、2冠王者になった際には多くのボクシングファン、関係者が驚かされました。自分自身でもあそこまでいいボクシングができたことはサプライズだったのでしょうか?
MT あの試合であなたは驚いたんですか?(笑) 私の中ではサプライズでもなんでもないですよ。なぜなら、私は年齢を重ねてよりいいボクサーになれているという自信があったから。アフマダリエフも優れたボクサーですが、試合前から言っていたのは、彼には“スタイル”があるが、私には“経験”があるということ。これまでの蓄積をあの試合で見せられたと思っています。
――2019年12月、あなたはブルックリンで行われたIBF暫定王者決定戦で岩佐亮佑(セレス)に11回TKO負けを喫しました。あの頃と比べ、大きく向上しているとすればその理由はどこにあるのでしょう?
MT 私は毎日、学校に通っています。私のスクールとはボクシングジムです。学校に通い、勉強をし続けることで、向上できているのでしょう。それに加え、優れたスタッフに恵まれたというのも大きいです。岩佐戦のあと、新しいトレーナーを得ました。トレーナー、プロモーターといった周囲のスタッフたちのサポートにも心から感謝しています。