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久保建英2ゴールでソシエダスタッフ「なんて日だ!」“動画には映らない”タケの喜怒哀楽…ナゾの“16メッセージ”は本人談「ヒミツです」
posted2023/09/06 11:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
ラ・リーガ4節、開幕より3戦連続引き分けのレアル・ソシエダは、ホームにグラナダを迎えた。代表ウィークでの中断前、最後の試合を撮影するためサンセバスチャンへ向かった。
「今日は絶対に勝つ」という強い意志のシュート
怪我での欠場も囁かれた久保建英だったが、4試合連続での先発出場を果たすと、開始早々9分、ミドルシュートでチームを勢いに乗せる先制点を奪う。また、35分のオウンゴールで追いつかれて漂う“またか”という空気を打ち破ったのも久保だった。
前半終了間際44分、「今日は絶対に勝つ」――そんな強い意志と共に放たれたシュートは、相手の投げ出す足先を弾くと、GKの頭上を抜く弧を描きゴールネットに吸い込まれた。
サポーター、そして仲間達に「自分たちは強い」、そんな勇気をもたらす勝ち越し点となった。さらに数字にこそ残らないが、2つのゴールにも関与して5対3の勝利に貢献。4試合連続となる、また誰しもが納得のMOM獲得となった。
この試合、久保には発奮するだけの理由があった。
ここまで3試合で獲得したMOMに、純粋な満足感を覚えていたわけではない。3戦連続ドローと勝ちきれないチーム状況、チームを勝たせることができなかった自分自身への葛藤があった。
雨の中、イマノル監督の“発破”に応えた
試合前日会見、イマノル監督は「久保のMOM獲得には納得していないよ、4ゴール4アシストはできていたはずだから」と述べている。
久保が枠を捉えられなかったシュートが入っていれば、チームは勝っていたんだよと、公の場での叱責とも取れる発言だった。
ただ、3節終了時点で久保が残した1ゴール1アシストの自体も十分なもので、イマノルが口にした成績を残すのは並大抵のことではない。それでも発せられたこの言葉には「お前ならそんな桁違いのこともできるんだぞ」、「そして今、チームはそれを求めているんだ」という賞賛と期待が込められた発破だった。
22歳の若者が、この発言に心を昂らすことも分かっていた指揮官、そして見事に応えてみせた久保。2人の強い信頼関係が呼び寄せた勝利となった。