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「ベランダからこのまま…」レジェンド女子レスラーを襲った“更年期障害とコロナ鬱”…井上貴子(53歳)が今語る「恋愛、結婚、プロレス」
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/09/02 11:02
インタビューに答える女子プロレスラーの井上貴子
「写真集は生きがいだった」
――目が覚めてくれて、ほんとうによかったです! さて、冒頭の質問の続きですが、ここまでプロレスを続けてこられた、そのモチベーションってなんだったんでしょう。
貴子 プロレスという基本があって、写真集を出せたり、芸能の活動をしてきたんですね。そこがブレてしまってはいけないし、今もリングには上がっているけども、「貴子、そろそろ引退したほうがいいよね」って、まぁ、言う人もいるだろうけども、言われないように努力できていることがモチベーションかな。ここを失っていないうちは、続けていきたいです。
――写真集はもうやらない?
貴子 もういいでしょ(笑)。昔は写真集が自分の存在をアピールする場所だったので、個性の製造というか、生きがいだったけどね。「こんなに楽しいことがあっていいの?」っていう感じでしたもん。
――撮影用に女性らしい体形になれる筋トレに切り替えようとか、美肌を保とうとか、そういうことも生活の張りになっていたでしょうし。
貴子 そうですね。「PEAK BLUE」(97年7月)までは「肌を焼かないでほしい」と言われていたので、ずーっと白かったんですよ。海に行ってもパラソルの下、みたいな。けど、「MAKE LOVE」からは逆に「焼いてくれ」って言われたんです。ラテンな感じで撮ろうということになったので、「やった! 焼ける」と思って、サーフィンをはじめたりして。
現在の女子プロレス写真集は見ない
――逆にいうと、それまでは趣味も犠牲にしていたんですね。ちなみに、令和になって出版されている女子プロレスラーの写真集はご覧になりますか。
貴子 ご覧にならないです(笑)。
――興味がない?
貴子 その通り。興味がない。今の子たちがどういう撮られ方をしているのかは知らないけど、私と比べたくはないなぁというのがある。プロレスのスタイルに対しても、同じ。交わらなくていいと思ってるし、たとえ闘ったとしても、意見を合わせる必要もないし。
――写真集においては、貴子選手とキューティー鈴木さんは伝説であり、クイーンですもんね。
貴子 キューティーちゃんのはね、見てました。顔がかわいいじゃん。(自身を撮った渡辺)達生さんが撮ったこともあったから、見てましたね。あと、当時でいうと武田久美子さんとか山咲千里さんとかも、作品として見てました。
貴子が今明かす、「恋愛、結婚、プロレス」
――今年は選手生活35周年だから、そろそろ深いプロレスの話をしたほうがいいんでしょうけど、もうちょっとパーソナルな部分にツッコんでいいですか?
貴子 なんでもどうぞっ!