甲子園の風BACK NUMBER
ヤクルト配達に八百屋、北新地のバーでも…大阪桐蔭吹奏楽部の“カリスマ”梅田隆司監督の波乱万丈すぎる半生と「野球部愛」の原点〈人気ブラバン徹底解剖〉
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byHaruka Sato
posted2023/08/22 11:02
部活専用のシンフォニックホールで行う大阪桐蔭吹奏楽部の練習風景
コロナ禍にはYouTubeで活動
「それがコロナ禍でぜんぶストップし、本番の演奏が激減してしまいました。でも、何とか活動しようということで始めたのがYouTubeです」
同校のYouTubeチャンネルは、人気のヒット曲や話題の曲をいち早く演奏し、照明やカメラワーク、編集やサムネイルにいたるまで大変力を入れており、まったく片手間などではない。
「子どもたちは、コンサートや野球応援など、本番の演奏経験を重ねるほどうまくなるし、伸びる。YouTube撮影もその1つで、いかに本番を多くこなすかを大切にしています」
そんな大事な本番の1つである野球応援。夏の甲子園の大阪大会は、球場の事情で吹奏楽の応援が禁止されているため、優勝して甲子園に出場しないと吹奏楽部の出番がない。残念ながら今夏の出場は叶わなかったが、元野球少年の梅田氏が率いる大阪桐蔭吹奏楽部は、毎回特別な思いでアルプススタンドに臨んでいる。部員一丸となった熱い「甲子園応援」の陰には、大阪桐蔭ならではの、野球部と吹奏楽部の「距離感」という秘密があった。
〈続く〉
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