【1】クラーク国際高・新岡歩輝投手「ここ一番のエースに…」

　大会も大詰めを迎えたいま、全体の傾向として、「投手」の人材が例年に比べて「ちょっとさみしいかな」と思う。

　そんな中で、この投手は「盲点」になっているんじゃないか……内心、そんな思いでニヤニヤしてしまうのが、クラーク国際高・新岡歩輝投手（３年・173cm72kg・右投右打）なのだ。

　報道では、上・横・下の３通りの角度から投げられるのを「ミラクル投法」として話題にしているようだが、私から見たら、ほぼノンパワーに見えるサイドハンドから140キロ近い速球が投げられるなんて「天才」以外の何ものでもない。

【1】クラーク国際高・新岡歩輝投手（３年・173cm72kg・右投右打）　©Nanae Suzuki

　無駄に力を入れようとしない投球スタイルなので、「のらりくらり」の軟投派に見えるが、投げるボールは強く、スライダー、シンカーで打者のタイミングを外してやろうとする意識は、なかなかにえげつない。

　北北海道大会の準々決勝で、序盤７失点で降板しながら、自分で２打席連続ホームランを打ったと聞いた。旺盛な「生命力」を感じる事実そのままに、この甲子園でもピンチを平然ときり抜ける投球。

　小柄でも、ここ一番の試合で頼りになりそうな「エース」になってくれそうだ。

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