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【日本サッカー界で最も「育成」に熱い指導者】U-17代表監督・森山佳郎が語る「13歳の久保建英に驚かされたこと」<U-17アジア杯2連覇>

posted2023/08/10 17:00

 
【日本サッカー界で最も「育成」に熱い指導者】U-17代表監督・森山佳郎が語る「13歳の久保建英に驚かされたこと」<U-17アジア杯2連覇><Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

U-17日本代表を率いてアジアカップを制した森山監督

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藤森三奈(Number編集部)

藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori

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Kiichi Matsumoto

「アカデミー世代のサッカー指導者に話を聞くなら誰か?」とリサーチした時に、真っ先に名前が挙がったのが森山佳郎U-17代表監督だ。サンフレッチェ広島ユース監督を10年務め、高体連とJユースの特徴を把握、そして指導における情熱、言葉の豊かさにおいて群を抜いているとのこと。6月~7月にタイで開催されたU17アジア杯で2連覇を達成した指揮官に、NumberPREMIERで90分のロングインタビューを実施した。

 インターハイを視察する日々、真っ黒に日焼けした姿で現れた森山監督は、決して容易くはなかったアジアカップ連覇について語り始めた。

「(前回優勝国ということで)すべての国が日本をマークしてくる。その中で戦い抜くのは簡単ではなかった。フィールドもコンディションが悪くなることは想定していた。命題にしていたのは『想定外を想定内にする』。そのために、直前の合宿も夢フィールド(日本サッカー協会の施設。天然芝のピッチ2面、人工芝のピッチ2面がある)ではなく、ボコボコのグラウンドでやったりもした。実際、大会中は雷雨で試合が中断、選手が食中毒になるなどいろいろなことが起きたが、選手はたくましくやってくれた」

 決勝戦の相手は韓国。名和田我空(神村学園)の2得点の活躍もあり、3-0で快勝した。名和田は、大会MVP&得点王となったが、森山監督が選ぶMVPは他の選手だという。

「実は名和田も体調を崩した選手の一人で、出場できない試合があった。初戦から決勝まで全試合に出場し、ずっとハードワークした選手がいる。DFの小杉啓太(湘南ベルマーレU-18)がMVPでしょうね」

槙野智章のポジティブ思考に驚かされた

  森山監督にとっては3度目となるワールドカップへの挑戦。過去2大会のチームと現チームの違い、この10年、U-15、16、17を率いて得た経験から何をどう選手に伝えているのか――話題は育成論の本質へと進む。

 トップオブトップに上り詰める選手と伸び悩む選手の違いを聞いた時、森山監督はこう答えた。

「すべてのサッカー選手が挫折する。それを乗り越えるには、どれだけポジティブに状況をとらえて前向きにやれるかだ」

 U-17で代表に選ばれてもA代表まで残れる選手はごくわずか。それはアカデミー育成現場の課題でもある。過去に指導してきた選手のなかで、ポジティブ思考で壁を乗り越えてきた代表的な選手を訊ねたところ、まず槙野智章の名前があがった。

「彼は目標を宣言して達成していくタイプ。ナショナルトレセンに呼ばれたとき、全国から選ばれた選手たちの前で手を挙げて『僕はプロになって活躍します』と言い、帯同していた先生をも驚かせた」

13歳の久保建英が備えていたトップに登るための資質とは

 その次に監督が口にしたのは「久保建英」。  

 森山監督は当時のU-15の海外遠征に初めて久保を呼んだ。その時久保は13歳。スペインからやってきた彼は、ふたつ上の選手に対しても呼び捨て。ピッチに立てば、すべてのパスに対して「出せ」「出せ」「出せ」の連続だったという。

「それが強烈に印象的でしたね。彼は来た時からスペースを認知する力はレベルが違った」

 久保のエピソードはどれも、現在の久保が日本代表で欠かせないメンバーであることを物語るものばかりだった。

 

【全編はこちら】森山監督へのインタビュー動画は、雑誌ナンバーの記事がすべて読めるサブスクNumberPREMIERの【完全版】森山佳郎監督が語る、U-17アジアカップ2連覇までの軌跡からご覧になれます。

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