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「羽南がギャルになるなんて」ファンも衝撃…イメチェン後のスターダム羽南19歳が目指す“自分のプロレス”とは?「オカダ選手の動画を見て…」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2023/08/11 11:03
今年の5★STAR GP初戦の舞香戦で入場する羽南
“高校生レスラー”ではなくなったからこそ
羽南はずっと栃木の実家から道場や大会、記者会見などに通ってきた。学校を早退して試合をすることもあったが、とはいえ平日の地方興行、長期のツアーには基本的に出られない。それが高校生レスラーの現実だった。
「これまで足りなかった経験が、卒業してからどんどん積めるようになりました。練習時間も学生の時より取れます」
タッグマッチでも、自分でフィニッシュを取る試合が増えてきた。経験と自信を少しずつため込んで臨んでいるリーグ戦、羽南は「自分のプロレスで勝負したいです」と言う。自分のプロレスとは何だろうか。
「去年のリーグ戦はやられてやられて、その中で相手の隙を突いて反撃するという闘い方でした。まだ力が足りなかったし、ただガムシャラに試合をするだけだったんです。頭より体というか。でも今年は“この相手にはこういう攻撃が有効だな”としっかり戦略を持って闘いたい。自分の流れ、自分のペースで試合をして“実力で勝った”と思われる試合を増やしたいです」
目指すのは「勝つだけじゃなく、応援したくなる選手」
勝ち星を増やすのは当然の目標。その上で勝ち方も意識していく。強くなりたいのはもちろんだが、強いだけでもいけないと考えているそうだ。
「私はお客さんと一緒に試合ができる選手になりたいです。プロレスでは片方の選手だけが強くても、お客さんはただそれを見ているだけになってしまう。私はお客さんを巻き込んで、応援してもらうことで一緒に闘うような試合がしたい。強いだけじゃなく、勝つだけじゃなく、応援したくなる選手になりたいです」
一番の得意技は、フューチャー王座戦でも何度も決めたバックドロップホールド。投げ方に改良を加えてもいる。そこに自信はあるが、だからこそ何が足りないのかも考えるようになった。それもこの1年での変化だ。
「私は打撃技がドロップキックくらいしかないんですよ。打撃は一発で形成逆転できるので、試合の中では凄く大事なんです。5★STAR GPでは新しい打撃技を出そうと思って練習してます」