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「羽南がギャルになるなんて」ファンも衝撃…イメチェン後のスターダム羽南19歳が目指す“自分のプロレス”とは?「オカダ選手の動画を見て…」
posted2023/08/11 11:03
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
スターダム恒例のシングルリーグ戦「5★STAR GP」に、羽南は2年連続での出場を果たした。昨年は13名2ブロック制、今年は10名2ブロック制とメンバーがより厳選されているが、出場者決定戦をマライア・メイとともに突破している。
「去年とはまったく違う気持ちです」
出場が決まると、羽南ははっきり口にした。確かにそうだ。去年は高校生。学校に通いながら練習と試合に励んでいた。この春、高校を卒業してプロレス一本の生活。気持ちも、プロレスへの取り組み方も、何もかもが変わった。
「学校を卒業してプロレスに集中して、その分プロレスへの思いも強くなりました」
高校3年生の1年間で得たものは大きかった。5★STAR GP初出場に加え、2021年12月に新人王座フューチャー・オブ・スターダム戴冠。昨年10月まで守り続け、同王座の最多防衛記録も作っている。
フューチャー王座は失ったが、そこにはスターダムの流れからすると“若手枠卒業”という意味もある。法律的な意味だけでなく“大人”。8月11日で19歳になった。
「羽南がギャルになるなんて」ファンも衝撃
デビューしたのは中学校入学直後だった。だからどうしても、若いから、まだ子供だからというイメージがあった。黒髪でコスチュームもシンプル。ところが4月23日のビッグマッチ、横浜アリーナ大会でイメージチェンジ。華やかなコスチュームに加え髪も染めてファンを驚かせた。「羽南がギャルになるなんて……」と衝撃を受けていた古参ファンも。
「新しいコスチュームにして髪を染めてイメチェンしたのは、心機一転という意味です。今までは学生とプロレスの両立が大事でした。自分でも“プロレスラーだけど学生でもある”というところを売りにするというか、武器にしようとしてましたね。でも今は“高校生の羽南”ではなくプロレス一本の羽南で勝負なので」
筆者には、イメチェンした羽南の姿が“エースへの名乗り”に見えた。高校生レスラーなら、勝っても負けてもとにかく一生懸命やればいい。ファンはあたたかく見守ってくれる。そこから脱却して、結果を出して上に行くという意思がコスチュームや髪に込められているのではないか。
リーグ戦は、その意思をより強く示すチャンスにもなる。1年前との違いを、羽南はこう語った。
「前回は初出場で、出られるのが嬉しいという感覚でした。出られるだけでも凄いことだと思ってましたね。結果、2勝しかできなかったしボロボロになって終わりました。でも、そこからの1年でだいぶ経験を積むことができたと思ってます」