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日本人が知らない、なでしこジャパン“海外での絶賛ぶり”…米メディア「日本はランキング1位」、英国人記者「なぜノルウェーは失敗した?」
posted2023/08/10 11:04
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
ついに、日本はパワーランキングでトップに立った。
アメリカCBSスポーツのサンドラ・ヘレラ記者は(海外では今回の大会報道で女性記者が主力である)、ノックアウトステージに入るにあたって、グループステージの戦いぶりからランキングをつけた。
1 日本
2 イングランド
3 スウェーデン
4 アメリカ(ベスト16敗退)
5 オランダ
6 スペイン
7 ナイジェリア(ベスト16敗退)
8 フランス
なでしこジャパン、堂々の1位である(アメリカはスウェーデンに敗れ、ナイジェリアはイングランドに負け。代わりにランキング9位のコロンビアと14位のオーストラリアがベスト8に進出)。
ヘレラ記者は日本をこう分析する。
「グループステージにおけるベストチーム。試合全体を支配し、誰もが決定的な仕事ができる」
英語では本命のことを”Team to beat”、倒すべき相手と表現することが多いが、まさに日本がTeam to beatとなったのである。
大会前は、ランキング10位以下という評価が多かった日本だが、グループステージでの戦い、そしてベスト16でのノルウェー戦でさらに評価を高めている。
なぜノルウェーの“日本対策”は失敗した?
ここで、私が推している「ジ・アスレティック」のマイケル・コックス記者に登場してもらおう。彼はシステム分析に優れ、原稿でも写真を使ってフォーメーションの説明をしてくれる。ノルウェーを破ったあとの見出しは次の通りだった。
「浮上してきた問いかけ――どうやったら日本を止められるのか?」