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大谷翔平「トレードなし」のウラで、“大谷本命”球団の不気味すぎる動き「金満メッツが“120億”放出」「静かすぎるヤンキース」「ドジャースは…」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byNanae Suzuki
posted2023/08/09 17:01
今季中のトレードは「なし」となった大谷。しかしそのウラでは、今季オフに大谷獲得を目指す本命と目される強豪球団が“ある動き”を見せていた
今の大谷にとって、起用法は全球団でOK
安価な選手ではなく、チームの屋台骨とも言える大物選手を放出したメッツは、年俸の残額の半分以上を負担することも厭わず、再建へ大きく舵を切った。それでも、2人の合計で数十億円の資金をプールし、来季以降への投資に幅を持たせたことは言うまでもない。2018年、大谷がエンゼルス入りした際のGMが、現メッツのエプラーGM。当時はナ・リーグにDH制がなく、直接交渉すら叶わなかったものの、今の大谷にとって、起用法は全球団でOK。大物2投手の交換要員として、球界トップクラスの若手期待株を獲得したメッツが、大谷を投打の軸として「黄金時代」の構築へ切り替えたとしても、おそらく誰も驚きはしない。
「大型補強せず」のヤンキースGMに猛烈な批判
大谷のトレード凍結直前まで、水面下で折衝していたと言われるドジャースとヤンキースは、例年よりもおとなしい補強で終えた。
17年のダルビッシュ有、18年のマニー・マチャド、21年のマックス・シャーザーと、常に移籍市場の主役だったドジャースは、先発の一角ノア・シンダーガードを放出した一方、ランス・リン、ジョー・ケリーらを獲得したとはいえ、超大物には手を出さないまま、期限を迎えた。ヤンキースにしても、救援右腕ケイナン・ミドルトンを獲得した程度で、大型補強に乗り出さなかったブライアン・キャッシュマンGMに対し、ファンの間からは猛烈な批判が起こるほど、静かなまま、7月を終えた。
大物が今季限り、ドジャースの皮算用
両球団の本当の思惑は、現時点では明らかでない。ただ、ドジャースの場合、昨オフ、大エースのクレイトン・カーショー、大砲J・D・マルチネスと契約した際、いずれも「1年」の短期間に制限するなど、来季の大谷獲りへ向けて総年俸を計算し始めたとも言われており、今回のトレード補強に影響したとしても不思議ではない。ヤンキースの静けさは不気味なほどで、今オフへ向けて虎視眈々と準備を進めていると見ていい。