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大谷翔平とは「何でも言える関係だね」顔面骨折で無念の戦線離脱…盟友ウォードが語っていた“切実な願い”「ショウヘイに残ってもらいたい」
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byGetty Images
posted2023/08/03 17:03
ベンチで戦況を見つめるテイラー・ウォードと大谷翔平。ともに2018年にエンゼルスでメジャーデビューを果たし、大きく飛躍を遂げた
インタビューを受ける時はしっかりと相手の目を見つめる。落ち着いた語り口だが、時に面白い言葉を残すのも、この29歳のチャームポイントだ。
「僕は猫を飼っているんだ。(犬よりも)猫の方が家を空けても育てやすいしね。エスコバーには言わないでよ。彼は猫が好きじゃないみたいだから(笑)」
そして、なぜ試合でネガティブな感情を表に出さないのか、怒ったりする時はないのかと尋ねたときは、こんな“名言”も飛び出した。
「グラウンドでは、僕は金魚になろうとしてるんだ。金魚は8秒も記憶がもたないって聞いたからね。怒ったり、イライラしても、過ぎたことは取り戻せない。地に足をつけて常に前に進む。これも両親から教わったことだね」
ネビン監督によれば、死球を受けた日も「少し冗談を言っていた」という。それが心優しい男の気遣いなのかもしれない。
大谷翔平にチューインガムを渡す「ゲン担ぎ」も
大谷とウォードはずっと良好な関係が続いている。メジャーデビュー年は同じ2018年。大谷は怪我を乗り越え、2021年に本格的に二刀流として活躍。一方のウォードも、昨季自己最多の135試合に出場して飛躍を遂げた。
大谷について「2人とも、お互いがやっていることをリスペクトしている。気づいたことは何でも言うし、彼が気づいたことも僕に言う。友達のような関係だね」と話したことがある。
2022年5月、ベンチでウォードが打席に入る前の大谷に紫のチューインガムを渡したことがあった。すると相手の中堅手がスタンドの光で目測を誤り、平凡なフライがヒットに。その後、「ゲン担ぎ」でもう一度ガムを渡したら、今度はホームランを打った。「野球選手はみんなゲン担ぎが好き。翔平と楽しんでやっていたんだよ」と言っていた。