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「スポーツじゃなくてゲームでしょ」藤澤五月“驚きのボディメイク挑戦”はなぜ画期的だった? カーリング選手が闘う「フィジカル不要論」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2023/07/30 17:00
ボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場し、驚くべき肉体を披露して話題を呼んだ藤澤五月
思い出す、「カーリングはスポーツじゃない」という中傷
同時に、「もともと職業柄トレーニングするのが大好きというのもあって」と藤澤が話しているように、カーリングに取り組む中でトレーニングを積み重ね、下地ができていた点も大きかったのではないか。
藤澤に限らずロコ・ソラーレの選手たちをはじめ、カーリングの選手たちは相当なトレーニングを積んで競技に打ち込んでいる。
一方で、それがあまり知られていない側面も今回のニュースとともに気づかされることになった。
「カーリングの選手がよくあれほどの筋肉を……」
といった反応をいくつか耳にしたからだ。それらの言葉には、カーリングとトレーニングがあまり結びついていない、つまり相対的にそこまでトレーニングを要しない競技であると捉えているニュアンスが含まれているようだった。
そこから思い出されるのは、かつては「カーリングはスポーツじゃない」と中傷する声も決して珍しくなかったことだ。
「カーリングにフィジカルは関係ない」という偏見
2006年のトリノ五輪に出場し日本中にブームを起こした日本代表のスキップだった小野寺歩(2002年ソルトレイクシティ、2014年ソチ五輪にも出場=ソチでは小笠原歩)は大会直後にこう語っている。
「『あんなのスポーツじゃない』とか中傷する話も耳にしていました。自分はプライドをもってカーリングをやっている。そう言われるのが悔しかった」
これは一例に過ぎない。ほかにも「カーリングはスポーツじゃなくてゲーム」みたいな言われ方を聞いた、という選手の話などもある。
スポーツじゃない、というように受け止めるのは、おそらくは身体面、フィジカルといった部分がそこまでかかわっていないように見えているからではないか。