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王者オリックス「最強ブルペン」の作り方…山崎颯一郎25歳が明かすリリーフ陣の雰囲気「比嘉(幹貴)さんや平野(佳寿)さんのおかげで…」

posted2023/07/22 17:01

 
王者オリックス「最強ブルペン」の作り方…山崎颯一郎25歳が明かすリリーフ陣の雰囲気「比嘉(幹貴)さんや平野(佳寿)さんのおかげで…」<Number Web> photograph by Takashi Shimizu

昨年の日本シリーズではリリーフで4試合に登板して日本一に貢献した山崎颯一郎。WBC代表にも選ばれた

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

PROFILE

photograph by

Takashi Shimizu

 昨年、26年ぶりの日本一を達成したオリックス。その原動力の1つになったのが多士済々の救援陣の存在だ。若手剛腕の台頭と、随所で存在感を発揮したベテランの働き。厚みが増したブルペンはいかにして作り上げられたのか。
 現在発売中のNumber1077号掲載の[オリ流ブルペンの作り方]「好投のカギはスイッチオフ」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文は「NumberPREMIER」にてお読みいただけます】

 オリックスが26年ぶりのリーグ連覇と日本一を達成した昨年、チームの勢いと団結力を象徴していたのがブルペンだった。

 特にシーズン終盤の優勝争いやCS、日本シリーズでは、ブルペン陣の踏ん張りが勝利を手繰り寄せた。しかも接戦のマウンドを任されたセットアッパーは山崎颯一郎や宇田川優希、阿部翔太など一軍でのリリーフ経験が浅かった投手たち。

 24歳(当時)の山崎は昨年途中に先発からリリーフに転向、一軍ブルペンに加わったのは8月末。山崎と同学年の宇田川は昨年7月まで育成選手だった。阿部は29歳(当時)と年齢的には中堅だが、28歳でプロ入りし1年目は怪我で離脱したため、実質的には昨年が1年目。そうした新戦力が、普通なら縮み上がってもおかしくない、失点が許されない緊迫した場面で臆することなく腕を振った。

「そういう場面で純粋に、みんな投げたがるんですよ。それがすごいなと思って。そういう状況でも、『打たれたくない』と四隅を狙いすぎて自分のパフォーマンスを発揮できない、というのがなかったんです」

 そう話すのは、昨年までオリックスで選手兼任投手コーチを務めた能見篤史だ。

ベテラン2人が面白いことを言ったり、誰かをいじったり

 それができたのは、ブルペンの空気のおかげだと、山崎は言う。

「比嘉(幹貴)さんや平野(佳寿)さんのおかげで、ブルペンはすごく雰囲気がいいんです。リラックスして自分の準備ができるし、締めるところは締めてくれる。2人がうまくまとめてくれていると思います」

 阿部も、チーム最年長40歳の比嘉と、39歳の今年日米通算200セーブ200ホールドを達成した平野の名前を挙げる。

「2人がすごく会話を回してくれる。ちょっと面白いことを言ったり、誰かをいじったり。2人がずっと無口でいたら、若い子たちがピリピリしてしまうと思うんですけど、みんなリラックスできてオンとオフの切り替えがうまくできている。準備の仕方なども発信してくれて、僕も教わることが多いです。若く能力のある投手が揃っていますが、彼らが力を発揮できるのは、比嘉さんや平野さんの存在が大きいと思います」

 点差が開き、阿部が「今日この展開だと(登板は)ないかな」と思っていると、比嘉に「ここからこうなって詰まる可能性もあるから、気抜かないほうがいいよ」と声をかけられたことが何度かあったという。

 比嘉は「僕はただずっとしゃべっているだけですよ」と謙遜する。雰囲気作りを意識してやっているわけではないという。

「オリックスのブルペンは僕が1年目の頃からずっとこんな、明るい感じですよ。文化というか。それが脈々と続いているんじゃないですか」

【次ページ】 日本シリーズ5試合に登板、許した安打はわずか1本

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