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「フェイクニュースではないのか?」記者席は騒然…イチローの“ヤンキース電撃トレード”とは何だったのか?「怖いですよ」当時38歳の決断 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2023/07/22 11:00

「フェイクニュースではないのか?」記者席は騒然…イチローの“ヤンキース電撃トレード”とは何だったのか?「怖いですよ」当時38歳の決断<Number Web> photograph by JIJI PRESS

電撃的なトレードでマリナーズからヤンキースへと入団したイチロー。当時38歳での決断だった

移籍会見から数時間後の“スタンディングオベーション”

 当時、イチローは38歳。10月には39歳を迎えようとしていた。想定外のことが好きでないイチローにとって、自身のプレー環境を変えるチャレンジは容易なものではなかったはずだ。それでも彼はチェンジを求めた。そこに並々ならぬ決意が伺えた。

「いや、もう怖いですよ、環境が変わることは。怖いです。不安ですよ。ただ、そう決意した訳ですから。そういうものを断ち切らないといけないし、断ち切れるように進んで行きたいということですよね。その覚悟を持っているつもりです」

 移籍会見から2時間後、イチローはダグアウトを「一塁」から「三塁」へ移し、背番号は「51」から「31」へと変え、打順は「1番」から「8番」へと下げ、出場を果たした。結果は4打数1安打1盗塁。第1打席でのスタンディング・オベーションは鳴り止まず、イチローも感傷的になった。

「11年半、本当に長い時間でしたから、いろんなことがありましたし、まあ、そういうことが思い浮かぶのかなあって想像してたんですけど、ああいう反応を目の当たりにすると、もう真っ白になりましたね。何にも思い浮かばなかったです。もう、ただ、その瞬間に感激した、という感じでしたね」

 ちなみにこの試合には、ちょっとしたトリビアがあるのを覚えておいて欲しい。ヤンキースの先発投手は『男・黒田博樹』。7回3安打1失点で自身10勝目を挙げ、イチローに移籍後初白星をプレゼントした。

大谷のトレード報道は“願望報道”ばかり?

 今、日米では、大谷翔平のトレード報道が錯綜している。拙い取材の限りでは、現状では具体的根拠のない願望報道ばかりだ。その中で11年前のイチローと今の大谷で共通していることは、シーズン後に契約満了を迎えフリーエージェントとなることだけだ。11年前、イチローは移籍会見でこんなことを言った。

「結果的には一番勝っていないチームから一番勝っているチームに行くことになるので、テンションの上げ方をどうしようかなと思っています」

【次ページ】 イチローの電撃トレードとは何だったのか?

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