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《藤浪晋太郎電撃トレード》イチローはヤンキース、ダルは期限10分前だったが…“横田慎太郎に捧ぐ”藤浪の好投→PO狙う首位移籍が激レアなワケ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byVaughn Ridley/Getty Images
posted2023/07/20 17:02
ア西地区最下位のアスレチックスからア東地区首位争いのオリオールズへ。藤浪晋太郎の電撃トレードを見ても、MLBはやはりおもしろい
また、オリオールズの捕手アドレー・ラッチマンは今季のオールスターにも出場した一流の捕手だが、藤浪のためにど真ん中でミットを構えてくれるかどうかはわからない。オリオールズは年俸をアスレチックスが大半負担してくれる中で、低コストで藤浪晋太郎を獲得した。使えないとなれば、あっさりと決断を下すだろう。
端的に言えば藤浪は「これまでとは違う世界」に飛び込んでいくことになる。
しかし「優勝争い」は、大谷翔平が永年懇願して得ることができていないものでもある。メジャー1年目にして自身がここまで評価されたことをポジティブに受け取って「やったるで」と思ってほしい。
アスレチックス最後の登板は横田の名前を刻んで
アスレチックスでの最後の登板で、藤浪は先日28歳の若さで逝去した元のチームメイト、横田慎太郎の名前をマウンドに指で書いて登板し、レッドソックス打線を零封した。
横田と藤浪は「シンタロウコンビ」と言われ、仲が良かった。筆者は横田が病気から一時復帰して、鳴尾浜のファーム戦に姿を現したのを見かけたことがある。たまたま藤浪が調整登板中だったが、2人は笑顔でハイタッチをしていた。
もし藤浪がオリオールズという“鉄火場”で結果を出せば、泉下の横田は何より喜んでくれるのではないか。あと2カ月余りのペナントレース、藤浪晋太郎はポジティブな気持ちで戦ってほしい。
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