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[独占インタビュー]ラーズ・ヌートバー「あのチームのケミストリーは特別だった」
posted2023/07/20 09:01
text by
ブラッド・レフトンBrad Lefton
photograph by
KYODO
「もちろん心から信じています」
断言したのは侍ジャパン初の日系アメリカ人選手としてWBCでの世界一に貢献したラーズ・ヌートバーだ。
あれから約3カ月、ヌートバーが所属するカージナルスの本拠地であるセントルイスで彼に問うたのは“チームの一体感”という概念を信じるかどうか。スポーツ界でよく聞く言葉だが、抽象的であり、選手によってとらえ方は十人十色だろう。ヌートバーはこう自分の考えを明かした。
「一体感、つまりチームケミストリーは一緒に戦うチームメイト同士が仲良くなると同時に、エゴをいったん捨てて同じ方向に向かっていくことで生まれると思います。目標が統一できれば自然にファミリーのようになって、よりチームが強くなる」
では侍ジャパンのチームケミストリーはどうだったかと問うと一言で答えた。
「アメイジング!」
そして次のように続けた。
「集まったときには全員が玄関にエゴを置いてきたようだった。その雰囲気を作ったのはもちろん栗山(英樹)さん。彼は大会前、選手たちに『全員が希望通りの出場機会を得られないかもしれないが、世界一という目標から焦点を外さないようにしよう』と語りかけたんです。それは口先ではなく彼の信念のようでした。その言葉に呼応するようにスタメンだけじゃなく、控えの選手、コーチ、裏方の全員がチームケミストリー作りに貢献した。役割を問わずに全員が助け合って前に進んでいったんです。普段から一緒に戦っているわけではないからこそチームケミストリーは絶対必要だったし、短期間でそれを生み出して世界一という結果を得ることができた侍ジャパンには完璧に満たされました」