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角田裕毅は歓迎「僕はドライの鈴鹿が大好き」2024年日本GPがついに春開催移行…理由は雨回避とサステナビリティ 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool

posted2023/07/12 11:00

角田裕毅は歓迎「僕はドライの鈴鹿が大好き」2024年日本GPがついに春開催移行…理由は雨回避とサステナビリティ<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

2022年の日本GPで、悪天候のなかトップフィニッシュしたフェルスタッペン

 第3戦オーストラリアGPと第4戦日本GP、そして第5戦中国GPは当初、噂されていた3週連続開催ではなく、それぞれ1週間のインターバルが設けられている。ドメニカリが言う「輸送にかかるロス」というのはレーススタッフの移動ではなく、船舶で輸送する看板やピット設備などのことを指しているものと考えられる。

 ともあれ、日本GPの春開催は決定した。確かに日本のF1の歴史は秋に作られてきた。その思い出を持つ世代にとって、春開催は馴染まないと言いたくなる気持ちはわかる。しかし、誰よりも鈴鹿を愛してやまない角田裕毅は、春には春の良さがあると言う。

ドライバーにとっての4月開催

「オーストラリアから直接、北上して日本へ行けるのは(ヨーロッパから日本へ行くより)距離的に近いので、これまでより肉体的な負担は少なくなると思います。また、気候も4月は秋よりも雨が降りにくいと思います。昨年の日本GPはウエットレースだったんですが、僕はドライコンディションの鈴鹿が大好きなので、ドライコンディションで走ることをとても楽しみにしています。

 それから4月は本当にいい季節だと思います。寒すぎず、暑すぎず、さらに桜のシーズンでもあります。いまは紅葉をヘルメットに描いていますが、来年は桜にしようかどうか、考えています。日本GPがいつもシーズンの最後のほうにあって、日本のファンはその日本GPを楽しみに開幕戦からシーズンを見てきているという声があることは知っていますが、逆にシーズン序盤に僕がいいレースをして、その後ももっと見てもらえるように頑張りたい」

 この春開催は、F1が日本を大切にしている証でもあることを忘れないでほしい。国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長はシルバーストンで筆者にこう語った。

「われわれにとって、日本はとても重要な国だ。世界有数の自動車メーカーとともに育てられたモータースポーツ文化がある。そして、その文化を愛する素晴らしいファンがいる。桜が咲く時期に再びお会いできることを楽しみにしている」

 新たな扉を開けて、F1を迎え入れようではないか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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