Jをめぐる冒険BACK NUMBER
マラドーナ、リケルメが愛した「世界一危険なスタジアム」ボンボネーラ生観戦で見た“熱狂と怪しさ”「アミーゴ…俺に任せれば問題ない、安心しろ」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2023/07/07 17:01
「世界一危険なスタジアム」ボンボネーラ。現地で見た熱狂、怪しさは強烈なものだった
「アミーゴ、これはお前の分だ」…って、あんた!
ボンボネーラの雰囲気を堪能してスタジアムを後にすると、マルセロはゴール裏で見ていた長男と次男、仲間たちと合流した。クソ寒い夜だというのにキンキンに冷えた缶ビールで乾杯を始める。
「アミーゴ、これはお前の分だ」とビールを手渡してくれたマルセロは、もう2缶目に口をつけている。
いや、ちょっと待て。あんた、車を運転してきたじゃないか。
だが、そんなことはお構いなしに、マルセロはビールをお腹に流し込む。そして案の定、運転席に体をすべり込ませるのだった。
試合を振り返って思い浮かぶのは、局面、局面での激しいバトルだ。そこは、ボール保持者に寄せながら、1、2メートル手前で止まってしまうような選手やプレーが存在しない世界。
ソリさんや冨樫監督をはじめとするスタッフ陣だけでなく、数時間前に大会を去ることが決まったU-20日本代表の選手たちにも、この試合を見てもらいたかった――。
そんなことを考えつつ、近くまで送ってくれたマルセロの車を降り、ホテルへの道を歩いた。
首に巻いていたはずのボカのマフラーがなくなっていることに気づくのは、ホテルの部屋に戻ってからだった。
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