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〈大谷翔平29歳に〉ファウル直撃の審判を気遣い…23歳からメジャーで続く「ショウヘイ愛」サイ・ヤング賞腕「僕がおじいちゃんになったら」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/05 17:01
2018年の大谷翔平(当時23歳)。2023年7月5日、29歳の誕生日を迎えた
バットを振れば3試合連続ホームラン、投げれば完全試合ペース、当たり前のように2ケタ三振を奪う二刀流に、アメリカの野球ファンもこんな風に大盛り上がりだったという。
「しばらく野球を見ていなかったけれど、オータニの試合は全部見ようと思う」「今季はオータニを見る」
いきなりガッチリとファンの心をとらえた大谷だが、2023年7月4日までにメジャーで放ったホームラン数は「158」となっている。その記念すべき第一歩を踏み出したのが2018年4月3日のことだった。本拠地デビュー戦の第1打席でいきなり右中間スタンドに3ランホームランを叩き込む離れ業を見せ、ベンチに帰ってくると――今では嬉しそうに兜を被っているが――初本塁打を放ったメジャーリーガーには恒例の「サイレント・トリートメント」の洗礼を受けた(その後、今のように嬉しそうにハグ連発もしていたが)。
「いいスイングができました」「すごく気持ち良かったです」
試合後の大谷はこう語っていた。開幕前のオープン戦では数字が上がらず懐疑の目が向けられていたが、それを払拭するには十分すぎるほどのビッグフライ。当時のチームを率いていたソーシア監督も「彼はパワーを見せつけたし、実力を発揮した」と語り、大谷の姿を見て高い信頼を寄せていたことがわかる。
オオタニから2500奪三振をとったんだ
<名言3>
僕がおじいちゃんになって死ぬ間際には、「2500三振をあいつ(大谷翔平)からとったんだ」と言いたいね。
(ジャスティン・バーランダー/Number953号 2018年5月31日発売)
◇解説◇
2023年7月4日のパドレス戦、大谷は第2打席に自身の放った打球が球審に当たると、すぐさま心配する様子を見せるなど、その振る舞いはまさにスーパースターといった趣である。
それと同じような場面が5年前にもあった。
2018年5月15日のアストロズ戦のこと。大谷が打ったファールボールが審判のマスクに当たると、審判は痛みをこらえる状態に。すると大谷は立ち尽くし、相手キャッチャーから“戻っていいよ”と促されるまで心配していた。この配慮はアメリカ人ファンにも響いたようで「オオタニのせいじゃないから、そんな泣きそうな顔しないでいいんだよ」といった温かい言葉がネット上に並んだという。