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W杯直前にケガしても「写真、撮ります?」記者やファンを魅了…日本代表DF“板倉滉ほっこり伝説”「本人から“お疲れ様したッ!”と」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/07/02 06:00
押しも押されもせぬ日本代表のDFリーダーとなった板倉滉。とにかく“ほっこり伝説”の多いフットボーラーでもある
そうやって記者からの取材に答えていた板倉の周辺には、色紙やサッカーボールを持った子どもたちがどんどん増えていった。気がつけば、板倉の取材が終わるのを待ち構えている子たちの輪は三重、四重にもなっていた。それに応えないわけにはいかない。だから、取材が終わると、当初の予定にはなかった即席のサイン会が行なわれた。そこで板倉は、20分近くペンを滑らせ続けることになった。
板倉の方から「お疲れ様したッ!」とねぎらい
そのサービス精神の源泉はどこにあるのか。そんなことを考えながら、その様子を見ていると、即席のサイン会が終わり、控室に戻る前の板倉がこちらに気がついた。
「お疲れ様したッ!」
取材に来ている記者を労うように、笑顔で、声をかけてきた。ヨーロッパでプレーするサッカー選手はしばしばオフシーズンにサッカー教室を行なうため、筆者はこれまでに同様の取材を数十回は重ねてきた。
そんなときはいつも、こちらから選手に向かって、取材のお礼や言葉をかけてきた。
だが……。
選手サイドからねぎらわれたのはこれが初めてだった。板倉とはそういうことをサラッとできる男なのである。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。