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「羽生善治会長、藤井聡太名人竜王」直筆免状を妻が欲しがってる…“七冠ブーム”に観る将マンガ家ビックリ「藤井先生を追い詰めた村田システムも!」
posted2023/07/01 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida/Keiji Ishikawa,Hideki Sugiyama(Photograph)
「先月(5月)のハイライトでは5月31日・6月1日の名人戦第5局、藤井聡太七冠の最年少名人達成まで描いたので、6月は少し静かなものになるかもしれませんねえ」
5月のハイライトを配信したのち、編集担当さんはそんな風に考えていたようです。でも……。
「完全に杞憂どころか、むしろ先月より話題満載だったかもですね。てへへ」
ということで(笑)、6月も描き甲斐があったハイライトをイラストでご紹介していきます!
1)藤井聡太vs佐々木大地の棋聖戦がアツい
藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖と合わせて七冠)の「八冠ロード」に注目が集まるここ最近の将棋界。ただその「全冠制覇」を成し遂げるためには――現在保有している7つのタイトルを防衛することが大前提となります。その命運を占う夏のタイトル戦「棋聖戦」の火ぶたが切られました。
対局相手は、佐々木大地七段。世間的にどうしても藤井棋聖に注目が集まってしまいがちなので――初タイトル戦に挑んでいる大地七段(佐々木勇気八段もいらっしゃるので、以下「大地七段」表記にさせてもらえればと)についてご紹介します。
大地七段の出身地は長崎県対馬市で、奨励会(※棋士の養成組織)に入るために一家で関東に越してきたというエピソードの持ち主。そこから2016年に四段に昇段してプロ入りを果たすと、王位戦挑戦者決定リーグの常連になるなどの若手実力派です。なお師匠である深浦康市九段との仲良しぶりは有名で、ツイッターの「深浦一門」はSNS上でお互いがイチャイチャして見えるほど楽しいです(笑)。
ただその大地七段と深浦九段、興味深いデータなのが「藤井聡太七冠との対戦成績」なんです。
深浦九段:3勝1敗、佐々木大地七段:2勝2敗(※棋聖戦開幕前時点)
対局数こそ少ないとはいえ、数字上では“藤井キラーの一門”と密かな話題になっていました。そこで迎えた第94期棋聖戦、6月5日に開催された第1局は藤井棋聖が先勝したものの、23日の第2局では終盤に入って藤井棋聖が逆転していたらしいところを、大地七段が“中央の角打ち”からの再逆転劇で1勝1敗のタイに戻しました。