「僕が『千秋ちゃん』って呼んでいて、僕は『康くん』と呼ばれています。あと最近は僕、『ゴリラ』って呼ばれています（笑）」（谷田）

　そんな特別なあだ名も使う松村だが、谷田のスイープ力を手放しで称賛する。というのも、4人制では分担しているスイープをダブルスでは谷田が一手に担っているからだ。

「絶対的に大変だと思いますね。なんせ自分が投げてから掃かなければいけないとか、4人制と比べてもプラスなものも入ってきますし、1人でジャッジもしながら（スイープ役として）的確に運んでいくのは4人制よりほんとうに難しいし体力も必要だと思います。私は日本選手の中ではそのすべてをこなす力が、谷田選手はピカイチだと思っていて。毎回決めてくれたときは、『ナイススイープ』とか一応ねぎらうことは言うようにはしてます（笑）」

男女が協力して勝利を目指して戦う姿

　松村は昨シーズン、中部電力のフィフスとして大会に帯同する機会もあったが、新シーズンはフィフスからも外れる。ミックスダブルスにより集中する競技環境となって迎える。

　谷田の覚悟から始まったミックスダブルスの先駆者としての歩み。本人は競技としての魅力をこう語る。

「戦術という面で言えば4人制のカーリングよりほんとうに複雑で見ていても一緒に考えて楽しめる魅力がありますし、石もたくさんたまりますし、男女が協力して勝利を目指して戦う姿、そこも本当に魅力だなと思っています」（谷田）

　開拓されていない、新たな世界だから困難も待ち受ける。道を切り拓いていかなければならない。

　でもだからこそ、喜びと学びが得られる。

　壁をいくつも乗り越え、1つ手にした栄冠と、1年をかけて培った2人の強さで、日本のカーリングに新たな地平を切り拓いていく。

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「ロコ・ソラーレには全員パートナーがいた」世界選手権・銀メダルペア、北海道の谷田康真が“軽井沢の才媛”松村千秋と組んだ理由「何でもできる女性で…」

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