「ダブルスのチームの中で言ったら、粘り強さは絶対に負けていないんじゃないかなって思いますね。特に昨シーズンはそんな試合ばっかり、逆転勝利というのは山ほどやってきたので、忍耐力とか我慢強さというのは私たちの持ち味ではあるかなと思います」

　大きな成果をあげて、より強く目指す場所を見据える。

©WCF / Eakin Howard

これだけ大きな衝突をして…

「ここから先2年がオリンピックのポイントとして大事になってくるので、そのポイントを私たちが世界選手権に出て獲る。それでオリンピックにも私たちが行くという強い気持ちがまず大事だと思うので、それを長期の目標として、しっかりと日本選手権－世界選手権、日本選手権－世界選手権と勝つのは前提として、その中で1年1年、どういうことをやっていかなければいけないのかを明確にして進んでいきたいです」

　谷田は言う。

「これだけ大きな衝突をして、ペアを続けて、ダブルスに軸足を置いているチームは日本にまだいませんので、そこはほんとうに自分たちのストロングポイントだと思います。近年で連続して世界選手権に出ているのも僕らのチームだけなので経験というのも僕らの今後の強みになるのかなと思っています。

　……自分で言うのも少し恥ずかしいですけど、ダブルスでオリンピックを目指す覚悟は誰にも負けないとも思います。正直、昨シーズンにダブルスをやるとなったときに、もちろん応援してくれる方も多いのですが、いろいろな方にいろいろなことも言われました。ダブルスだけに特化するのはどうなんだという意見がありましたし、結果はどうせ変わらないというようなことも遠回しに聞こえてきたりもしました。やってもいないのに言われたくないという気持ちでやってます」

2人の沈黙論

　ダブルスだけに特化し、好成績を挙げていく中で、2人の距離感も定まってきたという。

「4人制ではミーティングをしたとき、ある話題について必ず誰かしらが話していてその間に考える間が持てるんですけど、2人だと片方が喋り終わったら基本的にはもう片方が喋るというタイミングになる。ミーティングの中で当然、沈黙が起きる。沈黙って気まずく感じて、キツイじゃないですか。でも、『沈黙ってお互い考えている時間だよね』というのも松村選手と2人で話し合って、その後の合宿ではかなりいいフィーリングを得ました。チームの中で大切にしているコミュニケーション法というか、時間の取り方にしています」

呼び方は「千秋ちゃん」「康くん」、あと「ゴリラ」

　取材を通じて、2人は互いを、「松村選手」「谷田選手」と一貫して呼び続けた。

　では、ふだんは？

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