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「イシカワの技術はパーフェクト」「世界の10人にユウキはずっといる」石川祐希の“安定感”を世界が賞賛…あのレジェンドも驚き「今は別人」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byFIVB
posted2023/06/14 11:02
ネーションズリーグ名古屋大会でも別格の存在感を放った石川祐希。チームも着実に進歩している
答えはシンプルだった。
「チームを勝たせる選手です。そのリーグで、どこに行っても勝つ、例えばカジースキみたいな選手が、やっぱりナンバーワンだというふうに思います」
ブルガリア出身のマテイ・カジースキは、セリエAや欧州チャンピオンズリーグで幾度も優勝を重ねたレジェンドだ。VリーグのジェイテクトSTINGSでもプレーし、19-20シーズンにチームのリーグ初優勝に貢献した優勝請負人。38歳になった22-23シーズンも、トレントをセリエA優勝に導き、MVPを獲得した。
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いくら個人で多くの得点を奪い、攻守で凄まじい数字を残したとしても、石川の基準では、チームをトップに導けなければ世界一の選手とは言えない。“優勝”という結果がついて初めて“世界一”だと言えるという。
「それは間違いないと思います。勝てない選手はやっぱり、世界一じゃないですから」
自身の夢を叶えるためには、セリエAで優勝するか、日本代表が国際大会で金メダルを獲得するか。
「可能性は全然あると思います。まあ今のままだったら可能性はないですけど。成長しなければ可能性はない。昨シーズンのミラノではタフさが足りないという課題を感じたので、肉体的にも精神的にももっとタフにならなければいけない。チームに対して、もっと声かけや指示もできたと思いますし」
日本男子バレーが世界に水をあけられ苦しんだ時代を見てきた人間からすると、とてつもない話なのだが、昨季のミラノや、日本代表の変貌ぶりを見ていると、石川がいれば、その日もいずれやってくるのではないか、と思えてしまう。
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