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「イシカワの技術はパーフェクト」「世界の10人にユウキはずっといる」石川祐希の“安定感”を世界が賞賛…あのレジェンドも驚き「今は別人」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byFIVB
posted2023/06/14 11:02
ネーションズリーグ名古屋大会でも別格の存在感を放った石川祐希。チームも着実に進歩している
攻撃だけではない。相手コート側まで突っ走り体を投げ出してボールをつないだり(しかもそのあと自分のスパイクでラリーを制したり)、味方がサーブレシーブを崩されダイレクトボールが相手コートに返っても、1枚ブロックで相手スパイクを止め味方のミスをチャラにしたり、美しいフェイクトスもお手のもの。視野が広く、あらゆるプレーで試合をコントロールしている。
リベロの山本智大は「勝負強さというか、ここで1点欲しいという時に、最後自分で取りきる力はさすがですね。本当に頼りになります」とうなずく。チームメイトは昨年以上の頼もしさを感じている。
石川と同い年のミドルブロッカー・小野寺太志も言う。
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「純粋にプレーの面でもよくなっているし、チームを引っ張るという部分でもすごくレベルが高いなと感じます。余裕があるんですよね。例えばブルガリアにしても、強豪ですし、いい選手がたくさんいるんですけど、別に焦らない。それがみんなに伝わっているから、コートの中で余裕が出てきているのかなと思います」
オポジットの西田有志は、危機感すら漂わせながらこう語っていた。
「1点に対する貪欲さは誰よりも強いと思うし、あの人がいることによってまとまってくる。祐希さんがいるかいないかで、勢いが全然変わってきちゃうというのが、今、現状ではあるので、その差を小さくしないと。核になる選手なので、逆に祐希さんがいなかった時に誰が核になるのかがキーになるし、それが今の日本に足りない部分なので、そこは自分が補えるようにと思っています。それぐらい重要な人だけど、いなくなった時に何もできないじゃ絶対ダメなので、一人一人が自覚を持ちながらやっていきたい」
チームメイトの言葉から、改めて存在の大きさがうかがえる。
各国の指揮官も“イシカワ”を賞賛
では海外の監督や選手は石川をどう見ているのだろうか。
元イラン監督で、現在はセルビアの監督を務めるイゴル・コラコビッチはこう語る。
「石川は技術的にパーフェクトで、本当にいいプレーヤー。彼はミラノでクオリティの高さを示した。世界の中でおそらくベストチームであるペルージャを打ち負かし、石川はそのための重要な選手だった」