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「イシカワの技術はパーフェクト」「世界の10人にユウキはずっといる」石川祐希の“安定感”を世界が賞賛…あのレジェンドも驚き「今は別人」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byFIVB
posted2023/06/14 11:02
ネーションズリーグ名古屋大会でも別格の存在感を放った石川祐希。チームも着実に進歩している
フランス代表監督で、22-23シーズンまでセリエA・モデナの監督も務めていたアンドレア・ジャーニは、「ビッグプレーヤー」と連呼した。
「彼は本当に世界の中でもビッグスパイカー。技術的に優れているし、ジャンプもよく跳ぶ。昨シーズン(22-23シーズン)はミラノで長期間、ハイレベルのプレーをし続けた。特に終盤、彼のフィジカルコンディションは非常によく、チームに本当に貢献していた」
ジャーニ監督は昨年取材した際、「彼は若い頃モデナからイタリアでのシーズンをスタートさせ、目覚ましい成長を遂げてきて、プレーのレベルは非常に高い。今、世界の中で8本の指に入るアウトサイドヒッターだと思う」と語っていた。
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それから1年経って、現時点では何本の指に入るのかと聞くと、今年は少し違った言い回しで答えてくれた。
「世界の中でトップ10に入る選手がいますが、そのランキングというのは常に入れ替わっていて、12カ月ずっとトップ10にいられるわけではない。でもユウキは、このトップ10にいつもい続けられる選手だと思う」
五輪金メダルセッターも賞賛「別の選手のよう」
また、石川が中央大学1年の時にモデナでチームメイトだった、リオ五輪金メダリストのブラジル代表セッター、ブルーノ・レゼンデは昨年こう話していた。
「彼は(大学1年だった)当時から非常に才能があったけれど、本当に成長して、今は別の選手のようだ。フィジカル的にすごく強くなったし、サーブもよくなった。本当に完成度の高い選手で、なんでもできる。彼はベストアウトサイドの1人。トップ5に入ると思う」
「完成度が高い、なんでもできる選手」というコメントは、他の選手からもよく聞かれた。
海外の関係者から見ても、石川が“世界一”に近づいていることは間違いないようだ。
石川自身は、「近づいている感じはあります。でもまだまだ足りない部分も多いので、もっと自分に厳しく練習していかなければ」と謙虚に語る。
見えてきたからこそ、疑問が湧いた。石川が考える「世界一のプレーヤー」とは? その定義はどのようなものなのだろうか。