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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「僕が観ていたのはNARUTOです」衝撃の4ゴールをあげた湘南・町野修斗が明かす”忍者ポーズ”の由来「Jリーグで無双するくらいじゃなきゃ」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2023/06/10 11:03
Jリーグで得点ランク3位タイの8ゴールをあげている湘南ベルマーレのFW町野修斗
Jリーグでは無双するくらいじゃなきゃいけない。目標も、意識も手裏剣の切れ味のごとくシュパッと引き上げることになる。フィジカルのさらなる強靭化を図るため、筋力アップに取り組んで体重を3~4kg増やしている。
体を強くしていけば、心も強くなっていく。
「多少強引にでも行くような意識が上がりました」
その強引が局面の打開を生み出し、Jリーグが開幕するとどんどんとチャンスに絡んでいく。そして三笘の先制点をお膳立てしたコロンビア戦でも、自分の方向性が間違っていないのだと感じることができた。世界基準と比較することもできた。
仁王立ちの忍者ポーズで場内を沸かせ…
カタールワールドカップから激動の半年間で得た無形のたくさんのもの。何かカタチにできそうな雰囲気を醸し出していた。コロンビア戦から中3日でのガンバ戦において、それが実を結ぶ。
前半21分だった。
自陣ペナルティーエリア付近からのクリアボールに対して前線で構えていた町野はフリーになっていた阿部浩之にヘディングで落とすとそのままゴール前へ向かう。裏を狙ったワンタッチでの浮き球対して相手2人の間に突っ込んでいくと、GK谷晃生がペナ外まで出てクリアしようとした。
迫力ある町野の突進が谷のキックミスを誘い出したのか、ゴール前に転がったボールを無人のゴールに右足で押し込んだ。
彼はこう振り返る。
「阿部くんはスルーパス、背後のパスどちらも得意。あの人が前を向く状態であればどんどんアクションしていこうと思っていたなかで、いい動き出しができました。多少伸びましたけど、逆に絶妙なボールになったので諦めずに走ったら、あのようになりました」
町野はそのままコーナー付近まで駆け寄り、仁王立ちでの忍者ポーズで場内を沸かせた。
しかしこれは歴史を刻む“21分間4ゴール”の序章に過ぎなかった――。
<後編に続く>
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