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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「僕が観ていたのはNARUTOです」衝撃の4ゴールをあげた湘南・町野修斗が明かす”忍者ポーズ”の由来「Jリーグで無双するくらいじゃなきゃ」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2023/06/10 11:03
Jリーグで得点ランク3位タイの8ゴールをあげている湘南ベルマーレのFW町野修斗
ガンバ戦の4日前、彼はサムライブルーのユニフォームを着て、コロンビア代表戦の先発ピッチに立っていた。開始早々、後方からのフィードを競り合いから右足アウトのトラップで内側に落として西村拓真につなぐと、リターンを呼び込んで相手ディフェンダーの当たりにも負けずキープしてフリーとなっていた守田英正に渡し、三笘薫の先制ゴールにつなげている。前半だけで交代を告げられてシュートもゼロに終わったとはいえ、強いフィジカルと判断のいいプレーを印象づけたと言っていい。
「南米のチームが相手になるので、フィジカルコンタクトの争いが相当増えるっていうのは前々から分かっていましたから、気持ちの面でも準備できていました。(先発したコロンビア戦は)自分の可能性が広がったゲームになったかなとは思います」
いつ出番がやってくるか分からない。いつ起用されてもいいように準備を整えておくだけ――。
追加招集でメンバー入りしたカタールワールドカップにおいてフィールドプレーヤーでは柴崎岳とともに出場機会がゼロに終わった。ドイツ代表、スペイン代表を撃破してラウンド16に進み、クロアチア代表にはPK戦の末に敗れた。大いなる刺激がそこにはあった。
「ワールドカップは代表活動としては3回目でした。食らいついていかなきゃいけない立場だったので必死でしたね。最高の舞台に行けたというのは、素晴らしいこと。ヨーロッパで揉まれた選手たちとずっと一緒にトレーニングできたのはポジティブなことだし、レベルも相当高かった。
(世界を見ても)個の能力が高く、一人で局面を変えてしまう選手がたくさんいました。自分もそうなっていかないと次の北中米開催のワールドカップに出ることもできないし、活躍もできないと感じました」
Jリーグでは無双するくらいじゃなきゃ
間近で目にしたなかではドイツ代表のジャマル・ムシアラに、強烈なインパクトを受けたという。
「タッチのコントロールであったり、懐の深さであったり、相手を食いつかせてダブルタッチとかペナルティーエリア内であれだけドリブルできるなんて凄い。映像で見るより、体も大きかった。感じるだけでも、いい経験になりました。こういったものはこれから僕のアドバンテージになってくると思っています」
目の色が、変わった。