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大谷翔平のスイーパーは「三塁側ベンチの方から体の内側へ入ってくるような…」WBC中国代表の真砂勇介が振り返る“魔球攻め”と日本戦秘話 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/06/12 17:00

大谷翔平のスイーパーは「三塁側ベンチの方から体の内側へ入ってくるような…」WBC中国代表の真砂勇介が振り返る“魔球攻め”と日本戦秘話<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

WBC1次ラウンド初戦に先発した大谷翔平。中国代表として対戦した真砂が振り返る驚愕体験とは…

「先発・大谷」に中国選手が大喜び

 日本の先発投手はエース・大谷翔平(エンゼルス)。真砂は同じ1994年生まれだが、それまで接点はなく、ソフトバンク時代に日本ハムと対戦した際、試合前練習で少し会話を交わした程度だったという。

「同学年とは言っても、もともと雲の上の存在ですよ(笑)。高校時代からレベルが違うなと思っていました。先発が大谷だと聞いた時は、めちゃくちゃ嬉しかったですね。どうせ日本代表と対戦するなら、凄いピッチャーの打席に立ちたいと思っていましたから。中国代表の選手たちもみんな喜んでいて、ネットニュースで先発が大谷と伝わってきた時は、みんながおおー! と沸き上がったのを覚えています。中国の選手にとっても大谷は憧れの存在なんですよ。事前にチームで大谷対策のミーティングなどはなかったですが、それぞれに動画とかを見て研究していました」

「3番・センター」で先発した真砂は、1回表の攻撃から大谷と対戦。2死走者なしの状況で、初球はスライダーを見送りストライク。2球目のツーシームを打ったが、サードゴロに倒れた。

「真っ直ぐ一本を狙っていました。真っ直ぐだと思っていたのに少し沈んだので思わず手が出てしまいました。一瞬、フォークだと思ったんですよ。でも後からスピードガンを見たら158kmだった。あらためてとにかく凄いピッチャーだな、と思いましたね」

「背中から内側に入ってくる」スライダー

 2度目の対戦は4回。2番打者の楊晋(ヤン・ジン)が大谷から初安打を放ち、1死一塁となった場面で打席に立った。初球の136kmのスライダーを手始めに、大谷は徹底したスライダー攻め。カウント2−2から5球目のスライダーに手が出た真砂は結局、空振り三振に倒れた。

「あのスライダーは凄かったです。投げ始めた瞬間はもう、自分の背中より後ろの三塁側ベンチの方から体の内側へと入ってくるような感じ。球速も速くて、真横に変化してくる。それまで見たことはないようなボールで。(大会後の)最近になって聞いた『スイーパー』というのは多分あの球だと思います。あれくらいのレベルになると真っ直ぐを待たないと間に合わない。ずっと真っ直ぐ狙いでしたが、結局1球も来なかったですね(笑)。やられました」

【次ページ】 元同僚・甲斐に「ニーハオ!」

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