そして迎えた就任3シーズン目の今季、「WINNERS MINDSET（勝者の心構え）」をスローガンに掲げた沢木はサンゴリアス時代から指導し「個人としての成長に期待した」というCTB梶村祐介を新キャプテンに据えて2022-23シーズンに臨んだ。

　白星発進に成功した開幕戦から連勝を目指した第2節、後に初優勝を果たすことになるクボタスピアーズ船橋・東京ベイから勝利を収める寸前で追いつかれた（▲27－27）。

スピアーズ戦後、厳しい表情で会見に出席した沢木敬介HC（左）と主将・梶村祐介（2022年12月25日）©︎JRLO

「あれがまさに勝てるゲームを落とした『WINNERS MINDSET』（が足りなかった試合）です。ワイルドナイツ戦（第6節、●19－21）、静岡ブルーレヴズ戦（第10節、▲22－22）もそうでした。ただ、その後は競った試合で勝てるようになってきた。みんながいいマインドセットを持てるようになってきたことが結果に表れていました」

「プランを遂行すれば必ずチャンスが来る」

　全16節のリーグ戦を終えて、イーグルスは目標にしてきたトップ4の座を掴み取った。ただ、未知の領域であるプレーオフトーナメントの準決勝、リーグワン初代王者のワイルドナイツには前半はリードしながら後半逆転され、20－51で敗れた。それでも沢木はこう言い切る。

「（カードなど）ひとつのことで流れを全部持っていかれましたが、すごくいい勉強になりました」

　その経験が活きたのが冒頭でも記したサンゴリアスとの3位決定戦だ。前半こそ7－15とリードを許したが、後半に入るとSHデクラーク、No.8シオネ・ハラシリ、WTB松井千士のトライなどで逆転。初の3位を手にした。

トライを決めたWTB松井千士のもとへ駆け寄るSO田村優（2022年5月19日）©︎JRLO

「自分たちのやろうとしているゲームプランを遂行すれば必ずチャンスが来る。そう選手に話していました。僕は常にあの試合のようなクオリティを求めていた。ベストゲームでしたね」

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