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「大谷翔平って実際どんな人間なの?」現地記者の問いにヌートバーは…“対戦相手にも愛されるショウヘイ”を表す「ふたつのキーワード」
posted2023/05/31 17:01
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph by
Getty Images
5月上旬、エンゼルスのセントルイスへの遠征。大谷翔平とカージナルスのラーズ・ヌートバー、WBCで絆を深めた2人の対決とあって、日米のメディアが集結した。その3連戦の初戦、ヌートバーの会見が一塁側のダグアウトで設定された。矢継ぎ早に質問が飛ぶ中、現地記者が、大谷はどのような人間なのかと聞いた時の、ヌートバーの返答は面白かった。
「マイケル・ジョーダンのドキュメンタリー番組の『ラスト・ダンス』を思い出す。ジョーダンは葉巻を吸いながら、(周囲の熱狂で)ホテルから一歩も出られないと。でも、翔平だったら、『ホテルから出られなくても問題ない』って、ゆっくり楽しい時間を過ごすって感じかもね」
「飾り気がなく、本当に普通の人間で、そして…」
アメリカのスポーツ界を代表するスーパースターとの対比は、まさに言い得て妙だった。その10日ほど前、大谷がニューヨークの記者に「おすすめスポットは?」と聞かれた時の答えと重なった。
「外に出たことがないのでわからないですね(笑)」
WBCで一緒にプレーし、グラウンド外でも食事を共にし、ヌートバーは大谷の性格に驚いたという。
「飾り気がなく、本当に普通の人間で、そしてとてもhumble(謙虚)な男だ」
大谷の人柄について全く同じ言葉を発したのが、ナ・リーグの首位打者を快走するマーリンズのルイス・アラエスだ。
5月27日。大谷から5回に適時打を放った。その後、打者として大谷が7回に二塁へ進塁した時、二塁手の好打者にこう声をかけた。
「君はベストヒッターだね」
そして何やら、アラエスがファウルを打った時のモノマネも披露。本人の前でモノマネをして“イジる”のも大谷流だ。
試合後、アラエスは「彼は本当に自分のスイングをよく見ているね」と笑うと、こう付け加えた。
「彼はとてもhumbleで、そして、競争心が強い。すごくいい男だ」